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密着!兄貴肌龍族さん

「ちょっと待ってリンドウ」

「んだよ」


ブローチについて気になることはたくさんあるけど、色々考えてもよくわからなかった。だから、これはきっと今考えても仕方ないことだ。そんなことより、すぐに解決できそうなことを先にやってしまおう。


「今日一日ついていってもいい?」

「あぁ?なんでだ?」

「んーとね、なんとなく?」

「僕も行きたい!」


リンドウは呆れたような困ったような感じで頭を抱えてため息をついたけど、ちょっと考えた後「まぁ別にいいか」と呟いた。


「しょうがねぇな、ついてこい」


そう言ったリンドウの顔は、にっ、と笑っていた。




リンドウの背を追って外に出る。昼の日差しが草木を照らし、そよ風がぼくたちの頬を撫でる。なんだか眠くなってあくびしてしまう。


「寝てる暇は無いぜ。ほら、行くぞ」

「「は〜い」」



再び歩きだしたリンドウを追いかける。キャンプ場を通り、森に入る。リンドウは体が大きいのに、垂れている木の枝をひょいひょい躱してぶつかることなく歩いていく。ぼくは足下の木の根に足を引っかけないようにするのに精一杯で何回かぶつかってしまった。



苦戦しながらもなんとか森を抜ける。2人ともあんな森なんて大したことないみたいな顔をしていたのが悔しい。





森を抜けて少し歩いてたどり着いた場所は、ぼくがこの島で最初に目を覚ましたあの家だった。ただし、家の前にはダンベルやらサンドバッグやらが置かれている。


「着いたぜ。ここが目的地だ。」

「色々置いてあるけど、もしかしてトレーニングするの?」

「おうよ、ここで自分を鍛えるのが俺の日課だ。」


そう言うとリンドウは、サンドバッグに向かって構えを取って、深く息を吸った。




次の瞬間、黒紫色の雷が轟く。


「ハァァッ!」


眩しさにやられた目をどうにか開けると、リンドウが目にも止まらぬ速さの連撃をサンドバッグに叩き込んでいる。どうやらただのパンチやキックじゃないみたいで、攻撃が当たる度にバチッと黒紫色のスパークが弾けている。


最後に渾身のパンチを決めて、こっちを向いて自慢げにフン、と鼻を慣らし渾身のドヤ顔を決める。


「どうよ、俺の力は!」

「すごい…」

「全然見えなかった!」


褒められて気分が良くなったのか、リンドウは腕を組んでガハハハハ、と豪快に笑う。


でも…


「これでもアイリスさんには勝てないんだ?」


痛いところを突かれたリンドウはピタッと笑うのをやめて真っ黒な顔を赤くした。


「うるせぇ、アイツが強すぎるんだよ!とにかく、せっかくついて来たんだ。お前らにも付き合ってもらうぜ。ついでにお前らも鍛えてやるよ」


ガウラくんの方を見ると、僕の視線とガウラくんの視線がぶつかった。あっちも同じ気持ちみたいだ。リンドウの言葉に返答するべく、二人で息を合わせる。


せーの、

「「望むところだ!」」









ポケットの中のブローチが、少し震えたような気がした。

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