ききたいことがやまづみ
「なんでもいいの?」
「答えられるものならなんでもいいとも。」
Q.さっき言ってた意志ってどういうこと?
A.魔法は意志によって発現し、威力が変わる。オルレアクンに習わなかったのかい?
Q.この実験はなんの実験?
A.より強いチカラをもった動物を生み出す実験さ。その過程で随分大きくなってしまったがね。αはその究極形、様々な動物の強いところを集めてくっつけた最強の生物なのだよ。
ただし、他の実験体と違って不安定でいつ暴走するかわからないので、休眠状態で調整しているのだよ。
Q.なんでこんな実験を?このサメに食べられかけたんだけど。
A.いつか目覚める「終わり」に抗うためなのだよ。きっと近いうちに目覚めてしまうだろう。サメに関しては許してくれたまえよ。
Q.終わりってなに?
A.いずれわかることだ。他の皆にもね。
Q.獣人はあなたの実験で生まれたもの?
A.悔しいが、自立した思考をし、言葉を発し、魔法まで扱う生物を造る技術はまだ持ち合わせていない。いつか挑戦してみたいとは思うがね。
まだまだ訊きたいこと、知りたいことはあるのに、あまりにもこの場所に似合わない鳩時計が朝が来たことを告げる。
「おや、話し込んでしまったようだね。ここまでだ。早めに帰った方がいい。」
そう言いながらドアの方を向かされる。
顔で不満を伝えつつも、ドアへ歩きだす。
ドアノブに手をかけたとき、言い忘れていた、と後ろから声が響く。
「今日私と会ったことは秘密にしてくれたまえよ?私は彼らから嫌われているからね、会ったと言えばきっとキミも怒られる。」
ヒャヒャヒャ、と笑いながら言う。その笑い方ちょっときも、じゃなくて不気味だからやめてほしいかも。
はーい、と返事しながら今度こそ研究所を出て、地上へ向かう。
すり抜ける地面のところの階段を登ってる最中に、あることに気がついた。ここの住民はみんなちょっと甘いにおいがするのに…
「あの人、何もにおいがしなかったような…?」
まぁ、そういう人もいるのだろう。気にしても仕方ないか。それ以外にももっとたくさん気になることはあるし。疑問を頭のすみっこに片付けて、再び足を動かす。
すり抜ける地面を抜けて、地上に出る。朝焼けが世界をオレンジに染めている。
花たちももう光ることをやめて、風に揺られている。
朝焼けに照らされた木々や花々を眺めていると、噴水公園のアーチをくぐってこっちに向かってきてるアイリスさんを見つけた。あっちもぼくに気づいたみたいで、手を振ってみたら、ちゃんと振り返してくれた。
「おはよう、カルミアくん。早いんだね。」
「おはようございます、ちょっと目が覚めちゃって。」
するとアイリスさんは、すり抜ける地面のところを見てため息をついた。
「まさか、あいつに会ったの?」
会ったってことは言うな、と口止めされてるから一応とぼけて、ごまかしておく。
「あいつって誰ですか?そういえばガウラくんは一緒じゃないんですね。」
するとアイリスさんはさっきより大きいため息をついた。
「ガウラきゅんはまだ寝てる。それより、あいつと会うのは、止めはしないけどおすすめはしない。」
「なんでですか?」
「ほら、シンプルに気持ち悪いじゃん?」
あー、ぼくそれ言わないようにしてたのに。
確かに、と口を開こうとした直後、今度はアイリスさんから衝撃の事実を聞かされる。
「それにあいつ、ガウラきゅんを実験台にしようとしやがったから…」




