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花弁は散り、風によりて舞う 四

作戦名「ガンガンいこうぜ」。

作戦内容 速攻仕掛けてガンガンいく。


単純で簡単。だから最強。ぼくとガウラくんでやればもう無敵だ。


花びら10枚のうち2枚は僕の足に、3枚ずつぼくとガウラくんを守る盾に、1枚はどちらかが危なくなったときのための予備に。最後の一枚は…後のお楽しみだ。


魔法を防御・回避しながら人形へどんどん近づく。昨日に比べて魔法の数も属性も増えているけど、そんなのはもはや大した問題じゃない。


「あちっ」

余裕ぶってたら炎の矢が頬をかすった。やっぱそんなことないかも、と考えを改めるけど前に進む速度は変えない。むしろ上げる。


もう少し近くまで行けば人形に手が届く、くらいの距離まで近づくが、何か地面に違和感がある。

心なしかちょっと赤いような…?


「カルミアくん!危ない!」


なんだろう?ガウラくんがすごい勢いでこっちに飛んできてる。勢いのまま抱きかかえられたと思ったら、そのまま高く飛び上がった。


その直後、人形を囲うようにして炎が噴き上がる。


「炎の壁…?」

「今のを避けるのか、中々やるね。魔法はこんなことだってできるのさっ!」


噴き上がった炎が伸びてぼくたちを追いかけてくる。このまま逃げ続けても、他の魔法と合わせてきて避けきれなくなる。…なら!


「ガウラくん!作戦は変えずにこのままいくよ!」

「わかった!」


選んだのは、ひたすら前へ進むこと!

再び人形の方へ近づく。炎の壁を飛び越えて、人形を攻撃しに_____



行かない。


どうせ炎の壁を上から突破しても他の魔法で攻撃される。ならどうするか?答えは単純。魔法に対処するのではなく、そもそも魔法を撃たせなけばいい。


昨日の作戦会議の内容。


「どうやってあの数の魔法を避ければいいんだろう…」

とガウラくんが尻尾の先っぽをパタパタしながら考えている。かわいい。


いやそうじゃなくて、確かにその通りだ。

あの数をさばきながら攻撃を当てるなんて…

あれ?そもそもさばく必要なんてないんじゃ。


「ねぇガウラくん。」

「なぁに?カルミアくん。」

「どんなすごい魔法もさ、撃てなきゃ意味がないよね。」

「それはそうだよ!撃てなきゃ当てられないもん!それがどうしたの?」

「そもそも魔法を撃たせなければ避ける必要もないんじゃない?」


ガウラくんは確かに!と目を大きくする。

猫みたい。そうだ猫だった。


「きっとあの杖や本がなければあの魔法は撃てないよね。だから…」

「取り上げちゃえばいい!」

その通り。天才だ、とわしゃわしゃガウラくんの頭を撫でる。尻尾がピーンってなってる。



という感じで今だ。


オルレアさんとヤツリさんの前に着地。ガウラくんはダッシュでオルレアさんの杖を、ぼくはまた花びらに乗ってヤツリさんの本を取るべく加速。


まさか本体を狙ってくるとは思っていなかったみたいで、2人は目を丸くして固まる。魔法も飛んできていない。今がチャンス!


速度に任せて本をひったくる。


「「もらったぁ!」」


ガウラくんの声も聞こえた。あっちも成功したみたいだ。


炎の壁や展開されていた他の魔法が何もなかったかのようにパッと消える。僕たちの読み通り!


がら空きになった人形を見据えて、この修行を終わらせるべく、ガウラくんに声をかける。


「ガウラくん!アレやるよ!」

「わかった!『ウィンドブースト』!」


さぁ、お楽しみの時間だ。

花びらの最後の一枚の使い道。

湖の中に隠していた最後の一枚を回転させながら飛び出させ、人形に向けて加速。


じゃあガウラくんの『ウィンドブースト』はなんのためだって?そんなの簡単だ。速いものをもっと速くしたらもっと強くなる。それだけだ。


ガウラくんの魔法は風で加速させる魔法。何も自分だけを加速させることしかできないわけじゃない。


見たことないくらいの速さで花びらが人形に向かって飛んでいく。

回転と速度を乗せた光の花びらは空気を切り裂き……人形も切り裂いて真っ二つにした。




やりすぎたかも。

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