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兄貴肌龍族さんはネーミングセンスがない

祝 10話


魔法の名前かぁ。どうせなら叫びたくなるようなかっこいいやつにしたいな。

「ガウラくんの魔法はなんていうの?」

「んーとね、僕のは風で飛んだり走ったりするから『ウィンドブースト』!」


なにそれかっこいい。ちゃんと叫びたくなるやつじゃん。

ぼくのは花の盾だから『フラワーシールド』?

いやなんか違う気がするなぁ。あんまりかっこよくない気がする。


「俺が名前を付けてやろうか?」


後ろからリンドウの声がした。後ろから現れるの好きだなこいつ。それよりなんでここに?


「リンドウ!なんでいるの!?」

「なんかデカい音が聞こえてよォ、なんかやべぇんじゃねぇかって来てみたらまさかお前が魔法を使うなんてなァ?」


そう言うとリンドウはぼくの方を向いてがはは、と笑う。


「それで、良い名前はあるの?リンドウ」

「おうよ!『スーパーカルミアシールド』なんてどうだ!」

うわぁ、だっさ。ガウラくんもまったく同じことを思ったようで、思いっきり吹き出した。

「きゃははは、センスないねリンドウ!」

「んだとコラァ!てめぇも他人のこと言えねぇだろうが!!」

まーた始まったよこの二人。


二人がぎゃーぎゃー言い争ってる中、ふと、あることを思い出す。

いつだったか、音楽の授業で習った歌が英語の歌で、歌詞の意味を知りたくて全部翻訳にかけてみたことがあった。その中に確か「花が咲く」って意味の言葉があったはず。ぼくの魔法にぴったりじゃないか。確か……


「ブルーム…」

「「ん?」」


あ、小声で呟いたのが聞こえちゃったみたいだ。

いやなんであんな大声で言い争ってたのに聞こえるんだよ。異種族パワー?

それは置いといて、「ブルーム」。そうだ確かこれだ。でもこれだけじゃ味気ないから、なんかかっこいい感じの言葉を足して_____


「『エターナル・ブルーム』。決めたよ。これがぼくの魔法だ。」

魔法名を呼ぶと同時に花の盾を出してぐるぐる回してかっこいい感じに動かして、決めポーズ。

完璧に決まったでしょ。


「おー!かっこいい!!」

「なかなか良いじゃねーか。」


ふふん、そうでしょそうでしょかっこいいでしょどやぁ。


そんなこんなで晩ご飯の時間が来た。


あの盾は光を抑えれば普通に触れるみたいで、ガウラくんとキャンプ場のとこでフリスビーみたいに投げて遊んでたらあっと言う間に時間が経っていた。すっごい楽しかった。


いっぱい動かしてへとへとの体を頑張ってまだ動かす。疲れてるけど、それ以上に気分がいいので足取りは軽い。


「ただいまー!」


玄関のドアを開けると、なんか良い匂いがする。今日の晩御飯はなんだろう。


「おかえり、もうすぐ他の人も戻ってくるから、手を洗って座っててね。」


僕はえらいから石鹸でよく手を洗って、テーブルのとこに4つある椅子のうち、1番壁側に近い方のやつに座る。なんとなく隅っこの方が落ち着くからね。


後ろのキッチンから流れてくる良い匂いによだれが出そうなのを我慢しながら待っていると、玄関のドアが開いて、二人の男女が入ってきた。


終わりなく、例え枯れたとしても再び咲き誇れるように。

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