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最終章:コイは、未来へ
この作品はノンフィクションです。
1975年の優勝は、単なるスポーツの勝敗ではなかった。
それは広島という街の再生の証。
原爆から立ち上がった広島が、「誇り」を手にした日だった。
あの日、歓声を上げていた子どもたちは、今では親となり、またその子どもに赤い帽子を渡す。
赤ヘルの魂は、生き続けている。
カープは勝ち負けを超えて、今も人々の心を繋いでいる──
そして、次の奇跡を信じて、また一球が投じられる。
1975年──それは、広島の心に咲いた一輪のコイの花だった。