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第四章:決戦、そして栄光
この作品はノンフィクションです。
そして運命の10月15日。
対戦相手は阪神タイガース。勝てばカープ、球団史上初のリーグ優勝。
試合は序盤から緊迫した展開となった。だが、8回裏。山本浩二が放った一打が、スタンドへと吸い込まれる。
「打ったー!これは大きい!入ったー!ホームラン!」
場内のアナウンスが割れんばかりの歓声とともに響く。ベンチから飛び出す選手たち。涙を流すファン。
そして、ゲームセットの瞬間──
「広島カープ、リーグ初優勝!」
選手たちは古葉監督を宙に舞わせた。その回数は、25回──球団の歴史そのものだった。