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第二章:若き赤ヘル戦士たち
この作品はノンフィクションです。
チームには希望の芽が育っていた。
──山本浩二。
外野手。努力の人。寡黙でストイック。だがバットを握ったとき、その表情が変わる。
──衣笠祥雄。
鉄人と呼ばれるその男は、毎日のように素振りを欠かさなかった。チームで一番声が大きく、いつも笑っていた。
──高橋慶彦。
まだ若く、荒削りだったが、俊足と闘志は群を抜いていた。
三人の若者たちは、古葉の指導のもとで成長を遂げていく。
「野球がうまくなりたいんじゃない。カープで勝ちたいんだ」
彼らの胸には、そんな思いが宿っていた。