初めての敵
翌日、インターホンを鳴らす音で目が覚めた、時間を確認すると既にお昼を過ぎていた。
「もうこんな時間か……」
インターホンを無視しようとしたが定期的になり続けているので出ざるえない。
「はい?」
「ようやく出ましたか、私達は魔法局から来ました、契約について話を進めたいので入れてもらう事はできますか?」
「あー……、ちょっと待って下さい出ますんで」
「お願いしますね」
簡単に外用の服に着替えて玄関を出る、外には自分が初めて会った魔法少女とスーツ姿の女性が立っていた。
「すいません、遅くなりました」
「こちらこそいきなりの訪問で申し訳ありません、改めて中に入ってもよろしいでしょうか?」
「あ、はいどうぞ」
スーツ姿の女性は低姿勢で家に入ってくるのに対して魔法少女の方は退屈そうにしていた。
「……えっと親御さんは」
「あぁ一応自分は成人済みなので契約とかは大丈夫かと、親に関しては事後承諾といいますか、最悪言わなくても良いかなって」
「あ、あぁ確かにそうですね、それじゃあ契約について話していきましょうか……」
スーツ姿の女性、湊さんによる魔法少女の雇用契約などの説明を進めていった、行政の物だけあってかなりお堅い物になっており難しくて書類も多い。
ちなみに魔法少女の方は特に喋ることなく暇そうに部屋の中を見回したりしていた。
説明が終わりかけた頃に魔法少女の方からアラームが鳴り響いた、それを聞いた魔法少女は嫌そうな顔して湊さんは丁度良いと喜んでいた。
「それでは反応もなりましたし、早速いきましょうか」
「だそうよ、あんたもさっさと変身して行くわよ」
「あ、はい」
魔法少女に促されるまま魔法少女に変身して家を飛び出す。
「ぬわー」
自分がいきなり飛び出したせいで油断していた妖精が引っ張られるように家を飛び出していった。
「面倒だけど移動しながら続きを説明するわ」
家に湊さんを置いたまま飛び出したので魔法少女が説明の続きをしてくれるようだ。
「お願いします先輩」
とりあえずへりくだっておく。
「先輩てまぁいいわ、魔法少女の戦闘は基本的に2人か3人で1組で行動する事になってる、で今回は私とペアを組んでいた子が受験とか理由に最近魔法少女を辞めたちゃったのよね、そこに新しい魔法少女が生えて来たからそのままあんたが私のパートナーになった訳」
「普通ならそんな簡単に辞めれたんすね……」
「そりゃ本人にやる気がなかったらただの邪魔でしかないもの」
「確かにそうっすね」
「それにあんたの正体を知っている数少ない人間っていうのもあるわね、それにあんたの正体は重要な機密だからね、絶対に漏らさないでね」
「あ、はい気を付けます」
「そろそろ反応があった所が近づいてきたから話は後で」
「了解っす」
「ちょっ緊急連絡入れるから、あんたは肉壁でもなんでもやって少しでも時間を稼ぎなさい!」
「え、いきなりなんですか?!」
現場に到着するなり先輩魔法少女が慌てだして自分を盾にして連絡を始めた。
「あらぁ~、変な気配を追ってきたらなかなか美味しそうなのがいるじゃない」
到着して見上げるとサキュバスとしか言えないような姿がこちらを見て舌なめずりしていた。
「あ、あれはエンシェントサキュバスなのだ、あれは普通の魔法少女では戦うどころか耐えることすら難しいのだ!」
妖精も知っているようですぐにで逃げ出したいようだ。
「とにかく応援が来るまで私達で耐えるわよ、新人研修とかそんな甘い事言ってられないから、何とか生き延びなさい!」
先輩魔法少女がメイスを持って戦闘態勢に入る。
「魔法少女は基本的に自分だけの武器、心象武器を持ってるわ、自分が魔法少女としての在り方をイメージして自分の武器を手に取りなさい!」
「お、おう」
いきなり心象武器なんて言われてもわかる訳がない、がそんな事は言ってられないので自分の中にあるらしい武器を何とか取り出そうとしてみる。
「あら、私を前にしてお勉強? 良いわよそうやってゆっくりしてても、その間は他の人で遊んでるから」
エンシェントサキュバスはそういって少し遠くで野次馬している人達に近づいてピンク色の煙を噴出する、すると野次馬達が一斉に崩れるように倒れた。
「うーん、いまいちねぇ、やっぱりこっち方がいいわぁ」
全然満足できなかったようでゆっくりとこちらに向かってきた。
「苦戦しているようねぇ、手伝ってぇあげようか?」
自分が新人という事で余裕なのか蠱惑的に近づいてくる、全体的に性欲を刺激してくるがそれよりも自分が死ぬかもしれない恐怖で動けずいた。
「そんな案に乗る訳ないでしょうが!」
「あらら」
先輩魔法少女がメイスで介入してくれたおかげで恐怖から解放された。
このまま一人称視点のままで行こうかどうか悩むところ