今はまだ信じれない事
「ただいまーっと……」
帰宅するも返事はない、両親の年齢が年齢なので何かしらの長をやっており帰りはいつも遅い、自分も既に成人しており仕事以外に趣味が持ってなかったせいですっかり仕事人間になっている。
そんな事は当たり前の事なので冷蔵庫にある物で適当に夕飯を作ってから自室に戻る。
「なんだか寂しい家なのだ……」
「だろうね、妹がいなくなってからこうだよ、というかお前は何か食べるのか?」
「ボクらは基本的に何かを食べる事はしないのだ、強いて言うのなら契約している魔法少女が魔物を倒した時に発生する魔法が食料になるのだ」
「じゃあちょくちょく変身して戦わないといけないのか……」
「兄ぃ、変身はしないでって言ったよね」
「お帰り……、ずいぶん遅かったね」
妖精と変身するかの話をしているとさやかが少しの怒りと悲しそうな顔をして窓際に立っていた。
「私はまだ帰る訳にはいかない、から」
「僕らにも何にも言わなかったのにいきなり戻ってきたのは何で?」
「……っ、……今は言えない……、上手く説明できない……」
「僕が変身できるようになっても手伝う事はできない?」
「……うん」
「先生って言っていたアーノイドさんでも?」
「あの人は……、どこまでも中立だから、最後までは信用できない」
「あーうん、それは何かわかる、じゃあ親に顔を見せる事もできない?」
「それは! …………迷惑を掛けられないから……」
「既に十分かかってるのに?」
「……ごめん」
「このままだと僕は魔法少女として活動することになるよ?」
「それは、ダメ! そんなの、……お兄ちゃんが魔法少女なるんておかしいよ!」
「それはそう、でも活動しないと今後は実験動物扱いじゃないかな」
「それは、っとにかく変身だけはしないで!」
何かが接近して来たのを感じたのか後方を確認した後にどこかに飛び去ってしまった。
魔法少女に変身できるようになったせいなのかこちらに接近する気配がわかってしまった、自分が最初に会った魔法少女の彼女だ、さやかが来ていたのを誤魔化すために魔法少女に変身して姿見の前に立っておく。
「先輩として忠告しておくけど、普段は変身を含めて勝手に魔法を使わない事をお勧めするわ、じゃないとこうしてすっ飛んでくるから、あんたも飛んでいかないといけないんだからね」
「あー……すいません」
「というか随分姿がまともになったわね」
「どうやらちゃんと魔法少女になれたみたいです」
「どういう事よ……はぁ、とにかく呼び出しがあるまでは変身含めて魔法は使わないでね」
「はい、わかりました」
魔法少女は飽きれた顔をしながらどこかに飛び去っていった。
そういえば妖精が黙っていたのでどうした物かと振り返ってみると、何かの物質でグルグル巻きにされていた、それを解除しようと触れると無散して消えてしまった。
「何か疲れたからもう寝よ……」
魔法少女になったりしていろいろ疲れたので何か言っている妖精を無視してやってきた眠気に従う事にした。
そろそろタイトルを決めないといけないと思いつつ浮かばない……