目覚め
自分は一度人生を経験した記憶がある、
それなりの人生を過ごして、そして寿命で死んだ……そうかと思えばいきなり小学6年生の始業式だった、もちろん最初は混乱したがこっちの世界で生きて来た記憶が蘇ってきたお陰で何とか対応できた。
最初は人生をやり直しになったのかと思ったが前回ではいなかった妹がいたりニュースや芸能を見てみると微妙に違う名前の人が活躍しているなのでやり直し前の世界と微妙に違うようだ。
そんな事よりも前回にはいなかった魔法少女がこの世界には活躍している、アニメでしか見た事がない存在がニュースのトップに表示されており、そんな事もあって常識とかも違ってくるしで別世界に転生したような感じだ。
さてそんな妹だが仲は悪くはないが特に良いという訳でもない、自分の視点からするといきなり妹ができたので微妙な距離感で過ごしていた。
そしてその妹と大して仲が深まる事もなく、行方不明になってしまった。
それから数年の時間が経過した、両親はずっと帰りを待っているが徐々に妹がいなくなっている事を受け入れて行かないといけない雰囲気が漂っている。
そんなある日、何となく妹の部屋に入って行方不明になった原因でもないか探索してみる事にした、親が定期的に掃除しているようで埃っぽい感じはない。
物が少ないおかげでスムーズに探索が進み押し入れも簡単に漁る事ができた、そして押し入れの奥に一層の存在感を放つ物があり、それはガムテープでグルグル巻きにされて四面に御札が貼り付けられており明らかに禍々しい物があった。
(……たす………………け、て………)
恐る恐る手に取ってみると可愛らしい声が聞こえてきた、幻聴かと思ったが繰り返し聞こえるので聞き間違えではないだろう。
御札が貼ってあるので少し怖くあるが、助けないといけないので慎重に御札を剥がしてガムテープを解体していく。
「やっと脱出できた! サヤカ急いで変身して原因を探るのだ!」
蓋を開けてるといきなり妖精?が飛び出してきて眩しい光に包まれた。
「うわっ……、え?」
いきなりの強烈な光に驚いて怯んでいると髪の毛が伸びて体の重心が変わってしまいバランスを崩して倒れそうになった。
「……誰なのだ、サヤカに似ているけど別なのだ?」
倒れそうになるのを耐えた際に妖精らしい生き物と急接近する事になった。
「サヤカは僕の妹だけど……」
「妹! だから魂の形が同じなのだ!」
妖精が勝手に納得している所に耐性を立て直して近くにある姿見で自分の状態を確認してみる、髪の毛が腰に届くほど伸びており、フリフリとふんわりとした服装をしている、そして何よりも大きな胸……、どうやら自分は魔法少女になってしまったようだ。
「お、おぉ……」
自分の体を弄ってみるが完全に女の体になっていた。
「というかコレって元に戻るの?!」
「普通に解除すればいいのだ?」
「それはどうするんだ……あできた」
どうするか疑問に思っていると何故か変身を解除する方法がわかったので解除してみる、魔法少女を解除しても女のままじゃないとか危惧もしたがそれは杞憂に終わった。
「お、男ぉ?!」
「そうだが?」
変身を解除した自分を見て妖精?は驚愕していた。
「魔法少女は女の子しかなれないハズなのだ……」
「……ごらんの通り男です」
「へぇ、本当に男が魔法少女になる事ってあるんだぁ」
「ど、どちら様ですか?」
「私はねぇ、この地区を担当している魔法少女よ」
妖精?と問答していると、いつの間にか開けられた窓に魔法少女が立っていた。
つづくんですかねぇ