レール
「レールに敷かれた人生なんて、まっぴらだ。」という僕に父は言った。
「でも、我々の仕事はなくてはならない。ずっと歩き続ければ光が射し続ける。・・・射さない日もあるけど。」
「・・・わかったよ、父さん。」
僕はうなずいて今日も歩くことにする。
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「なんだよこれ、もう!」
いくらひっぱっても動かない。 突然の事だ。 昨日まではなんともなかった。・・なにかひっかかっているのだろうか?
「どうしたのよ?朝から騒いで。」
「あ、お母さん。あのね・・・。あ、開いた。」
シャッと音がしたかと思うとなめらかにカーテンがレールの上をすべり、同時に朝日が射しこんだ。
完