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君も刑事ポロッポー


 「ミス=コウモリーがあんなことをしたんだ!」

 「私は飲んでないわ!あんな変な色のジュースも知らない!デタラメはやめて!」

 ミス=コウモリーとウッキーさんが顔を真っ赤にしてケンカをしていた。

 アフゾウさんとモリアーキーさんが止めていなかったらもっとひどいことになっていたと思う。

 「いったい何があったんですか?人をなぐったりするのは刑事として許せないですよ!」

 「ははあ、ヒヨコ刑事のいうとおりです。これ以上やると、バナナジュースの事件とは別にあなた達を捕まえないといけません。それでも、良いですか?」

 ボクたち2人の怒った表情を見て、ミス=コウモリーとウッキーさんの真っ赤だった顔が少しだけいつもの色に戻った。

 「ははぁ……アフゾウさん、モリアーキーさん、何が起きたか教えてもらえますか?」

 「それが……」

 「あぁ、アフゾウさん。ワガハイが話そう。

 実はさっき、ウッキーさんが怒った顔でミス=コウモリーさんのところに来たのが始まりだった。」




 「さっき、レストランの窓ガラスが割れているのを見つけました。多分犯人はそこから入ったんだと思います。」

 「あら、犯人はそこから入ってあんなヒドイことをしたっていうの?」

 「ドアの上のガラスです。とても小さくてアフゾウさんやモリアーキーさんは入ることはできません。」

 「そうね、2人ともとっても大きいですものね。とはいっても、私がちっちゃいのもあるのですけれどね。」

 「ミス=コウモリーは、冷蔵庫の場所も知っていますよね?」

 「見せてくれたのはあなたでしょう?ここにあるよって、常連だと私を含めてここにいる3人しか知らないでしょう?

 どうしたの、ウッキーさん。顔が怖いわよ。」

 「ここまで言っても、まだ分からないんですか?」

 「何がよ?」

 「ボクのジュースをあんなふうにしたのはミス=コウモリーでしょう!」

 「え⁉いったい何を言っているの?」

 「とぼけないでください!

 冷蔵庫の場所はボクたちだけしか知らないんです。だから、犯人はこの中の3人の内のだれかなんです!

 そして、この中であの窓から入れるのは体が小さくて飛べるミス=コウモリーだけ。

このレストランは昨日の夜からずっと鍵がかかっていました。

 鍵を持っているのはボクと、ボクが発表会に来られなかったら代わりにバナナジュースを配ってもらう約束をしていたアフゾウさんと、看板製作に必要だからって渡したモリアーキーさんだけなのです。

 犯人は、ミス=コウモリー、アナタしかいないのです!」

 「ワタシじゃないわ!」

 「じゃぁだれがやったんですか⁉」

 「やめるんだゾウ、おちつくんだゾウ。」

 「刑事さん、すぐに来てほしい。このケンカはワガハイたちではとめられない。」




 「ははぁ、それでウッキーさんはミス=コウモリーを犯人だと思ったんですね。」

 「刑事さん達も見たでしょう?カギは閉まっていて、窓が割れていて、冷蔵庫は隠れている。

 窓から入れて、冷蔵庫の場所を知っているのはミス=コウモリーだけなんです!」

 「ちがいます!私はやっていません!悪いことをしていないのに、ジュースを楽しみにしてきたのに、ひどいわ!」

 うわぁ、またケンカになりそう……。

 「ハイそこまで!」

 ポロッポーさんが急に大きな声を出した。

 皆びっくりして、固まった。

 「ウッキーさん、質問です。

 私はてっきりこのレストランのカギはあなたしか持ってないと思っていたのですが、他にもレストランに入れる合鍵を持っている人がいるんですね?」

 「はい。アフゾウさんとモリアーキーさんには発表会のお手伝いをしてもらうために渡してありました。けど、2人のどちらかが犯人だとしたら、窓なんて割らなくて良いじゃありませんか!」

 「うーん、たしかに……」

 犯人がカギを持っているなら、窓なんて割らなくてもいい。そんなことしなくてもカギで扉を開けて入れば良いんだから。

 「ははあ、なるほど。そう考えたんですね。」

 「そうです!まちがいないです!」

 「ちがうわ!」

 「じゃぁ、これが最後の質問です。今日発表するはずだったジュースの色は、誰にも見せていないんですね?」

 「そうですよ。ここにいる3人にも教えていません。」

 3人が頭をコクコクとたてにふった。

 「ははぁ、わかりました。

 残念ながらウッキーさん、あなたの推理は間違っています。」

 「え?」

 「ほらね!」

 「けれど、ウッキーさん。途中までは正解です。

 あなたのジュースをあんなふうにした犯人は、確かにこの中に居ます。」

 「え?」

 「ほら……えぇ!」

 「なんだって?」

 「ほぉ。」

 「あれれ?ポロッポーさん、もしかしてもう犯人が分かったんですか?」

 「はい、わかりましたよ。

 犯人はすでに、自分が犯人だと教えてくれていましたからね。

 ちゃんと見て、聞いて、考えれば、事件を解決できますよ。」



 ミステリーは本当に書いていて難しいなと思います。

 トリックやらなにやら、簡単なものでも破綻しないようにすると本当に難しい。

 けれど、楽しいです。

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