生命のAPPETITE
意外と、よく知られてる単語。
悪食の舌にもかなうのを誇りにして
コースメニューの皿からはずれても
恥じることなどないぜ まず目の前にいる
やつの腹を満たせることが先決だろ
蓼喰う虫も好き好きならば
言うなりゃこいつは三界の珍味
虹色の鯰の臓腑に 勝るとも劣らない
きょうの日を労って あしたへの糧を得る
足りねえ血肉を埋めてくれ
そのひとかけらがおれの光をつなぐ
口をあけるは生命のAPPETITE
美食家が打つのは舌打ちか 舌鼓か
ソース浸しの皿が泣いてるけど
びびることなどないぜ まずフォークをにぎる
やつの腹をぐぅと鳴らしてさしあげろよ
蟻喰う犬は物好きだから
しょせんはこいつも邪の道の極み
鈍色の孔雀のふとももに ありがたく齧りつけ
きょうの日に息絶えて あしたまた蘇る
不滅の血肉と燃えてくれ
そのひとかけらでおれの炎は高く
涎まみれた生命のAPPETITE