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08 結界


『概念結界』


 ルールや制約をより厳密にすることによって、範囲や効力を強化させた特殊な結界。



 例のエルシニア王家が、とある魔導具技師に開発費無制限で作らせたのは、


 エルシニアの国土全周に『概念結界』を張れるほどに強力なイカれた結界魔導具。


 その効果は、以下の2点。



 ① エルシニアに召喚者が入国した際の、アラームとマーキング。


 ② エルシニアを出国しようとする召喚者を、拘束魔法で足止め。




 病的にエルサニア大好きな王家の方々が、エルサニア産の召喚者をゲットするためだけにわざわざ作らせた特注の結界魔導具。


 その結界は通常の半球状では無く、エルシニアの国境線に沿うように張られているのだとか。



 あー、そういうことに国家予算を湯水のように使っちゃうから国民から嫌われるのですよ。


 でも、そこまで強力な魔導具だったら、


 今現在エルシニア国内に召喚者が居ないかを調べることも出来そうなもんですが。



「エルシニアへの改名の直前、ガルグリスタ国内で召喚者狩りとでも呼べるほどの念入りな捜索が行われたそうです」

「今回の庇護対象の召喚者さんは、潜入特務司法官の支援もあり、幸いにして難を逃れることが出来ました」

「あの異常な結界魔導具作成のきっかけは、その際召喚者を手に入れられなかった未練と悔しさのせいでもあるとか」


 ……怖っ。


 エルシニア王家の異常さがホントよく分かりますな。



 そして、マーリエラさんたちが司法省本部から大急ぎで受け取ってきたモノは、


 その嫌な結界を無効化してスルー出来るようになる最新式のスグレモノ魔導具なのですね。




 ふむ、任務の内容はとても良く理解出来ました。


 それじゃ早速、ブラウペンの関所を突破して、


 エルシニア王都に召喚者さんを迎えに行きましょうか。



「いいえ、待ち合わせ場所はブラウペンの街に程近いスーリオラ村の宿だそうです」


 おっと、準備万端でしたか。


 流石に今回の任務は司法省の気合の入りっぷりが違いますな。



「それでは、参りましょうか」



 ---



 懐かしいですね、ブラウペンの街。


 でも正直、あの頃よりも寂れてしまってるような……



「エルサニアの政変以降、以前にも増して両国の交流が滞っているそうです」


 さもありなん、あっちは政変やら再戦やらでてんてこ舞いだったろうし、


 こっちはこっちで王家がイカれちゃってるし。


 苦労するのは民ばかり、ですか。



「まさに然り」



 おっと、その渋いイケボは……



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