17 完遂
うひゃっ、めっちゃ可愛いですよっ、産まれたての赤ちゃん!
いえ、もちろん産まれたてじゃなくても可愛いんですけど、
なんて言いますか、お若いママさんに抱かれた無垢な寝顔が……
「……」
マーリエラさんも嬉しそうですね。
俺も……頑張っちゃおうかな。
でも、安住の地を見つける方が先、ですよね、俺たちは。
「ありがとうございます、ノアルさん、皆さん」
「おかげさまで初孫と幸せな対面を果たすことが出来ました」
いえいえ、モリさんもリオネさんも、これからお孫さんのお世話でもっともっと幸せてんこ盛りですよ。
そもそもおふたりは、まだまだ幸せマシマシ出来るくらいお若いですし。
つねりっ
うっ、
赤ちゃん起きちゃうから、大声を出しちゃいかんぞ、俺。
ってか、ダメでしょ、マーリエラさん(小声)
ツネツネは、ちゃんと空気を読まなきゃ(小声)
ごめんなさいっ、耳引っ張らないで……
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モリさん御家族に、おめでとうのご挨拶。
ちょっと影が薄めなお若いパパさんにも、ちゃんとご挨拶しましたよ。
御家族はこのままオーバンで暮らすそうで、今はみんなで暮らせる屋敷を探しているのだとか。
うん、流石はモリリオネ商会の大旦那様、探しているのはお屋敷なのですね。
ちなみに、エルシニアにはもう戻らないそうです。
あちらのお店はすでに諸々引き継ぎ完了しており、番頭さんに全てお任せしてきたのだとか。
いや、番頭さんじゃなくて、これからはモリリオネ商会を舵取りする船頭さんですね。
さてと、今回の任務もめでたしめでたしで終われましたし、
満を持して孤児院の方へご挨拶に向かいましょうか。
もしみんなから忘れられてたら、おじさんショックでヒルデュ河に飛び込んじゃうよ。
もちろん、かっぱのお姉さんたちが密着救助してくれるんだろうけどさ。




