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死にたがり少女と不死身少年  作者: 永山ぴの
3/3

1章3話『趣味は死ぬことです』


「──私が、〝異界〟の希望……?」


 海彩は希寿をじっと見つめ、少し困惑顔を向ける。

 突然、自分が見知らぬ世界にとっての重要人物になると言われてうまく呑み込めるわけがない。

 海彩は確かに魔法を使えた。

それも練習も何もせず──これこそ天才と呼べるだろう。

 だが。


「ど、どういう事……? それにこの世界を救うって……私が? そんな話、すぐに頷けないわよ……」


「ああ。そう言うのが普通だろうな。なら、もう少しこの世界を見てくれ。お前の目で……救う価値があるかどうか」


「?」


 海彩がどうするのかと首を傾げていると、希寿はマントを翻し、街の方へと体を向けながらも目線をこちらに移す。



「死にたがりの俺でも気に入ったこの世界だ。満足するまで案内してやる」





     ◇



 下山道を進む二人。

希寿は海彩の腕を引いて街へと向かう。


「ね、ねぇ。案内って、どこ行くの……? それにあんまり遅くなると家に帰る時間が……」


「安心しろ。〝異界〟の時間の流れは日本よりも遅い。帰りの時間もちゃんと考えてやるから」


「そ、そうなの……」


 時間の流れの違いに少々驚いていると、希寿はチラリと海彩を見て口を溢す。


「死ぬはずだったのに、帰る時間なんて心配してんのか」


「──ッ……。もうこんなところ連れて来られたら、死ぬ気も失せるわ。日本とは違うことだらけなんだもの」


「確かにな」


 海彩が膨れっ面をで返答し、希寿は薄い表情ながらも苦笑する。

 と、海彩はそんな希寿の背中をジッと見て疑問を口にする。


「ねぇ……そう言えば、希寿くんの死にたい理由…………ちゃんと聞いてないんだけれど……」


 言うと、希寿はピタリと足を止める。

 背中にぶつかりそうになった海彩が、ギリギリで回避すると希寿を見上げる。

首を傾げ、返答を待っていると希寿の口元が微かに動いた。


「……み……から」


「え──?」


「言ったろ。死ぬのが趣味だから」


 振り返った希寿の瞳は暗く、冷たく、絶望のような感情を乗せていた。

先程からはあまり見せなかった冷淡な表情だが、海彩の言葉のせいか、再びその雰囲気は暗くなる。


「…………趣味、って……」


 海彩は困惑気味ながらも再び訊く。


「だから、それの意味が解らないんだけど……もしかして、自殺未遂を何回か──」


「いや。死んでる」


 海彩の言葉を遮り、希寿はハッキリと口にする。

〝自分は死んだことがある〟と。

 海彩からすれば謎が深まるばかりだ。

希寿は同じく日本人なのだから、〝異界〟にいるような人間外生物ではない事は確かなはず。

そんな至って普通な人間が何度も死に、生きる事を繰り返せるはずがない。

 海彩は余計に意味が解らなくなり、困り果てていると希寿は再び口を開く。


「まぁ、そのうちわかる。俺の三大欲求は食欲、睡眠欲、死欲だからな」


「し、死欲……?」


 とうとう新種の欲を生み出してしまった希寿に目をパチクリ。

 と、いつの間にか歩き出し始めた希寿を海彩は慌てて追い掛ける。

追い付き、二人並んで数メートル進むと希寿が突然魔法の詠唱を始める。


「『交信』」


 唱えると、魔方陣のようなものが希寿の前へと浮かび上がる。

 複雑な文字が細かに刻まれた魔方陣を実際に見た海彩は興味深そうに見つめる。

その視線は気にすることなく、希寿は魔方陣に向かって声を発する。


「ルート、聞こえるか?」


『おー! 希寿!?』


 突然、魔方陣から返されたのは青年の声。

希寿に比べて溌剌とした印象を受ける声色だ。

 海彩はこれが電話のような──俗に言う、通信魔法のような類いということを察して大人しく交信の様子を見守る。


『お前、ここ数日どこ行ってたんだよ?』


「日本に戻ってた。そこでちょっと優秀な人材を見つけてな」


『優秀な人材……まさか、この世界を救えるのか!?』


 交信相手は意味が解っているのか、何やら嬉しそうな返事を返す。

 だが、海彩は。


「ち、ちょっと……! 私の事言っちゃうの? 勝手にここに連れてきたのがバレちゃマズイんじゃ……」


「あー……コイツは大丈夫。ルートなら解ってくれる」


 希寿はそう言うと、再び魔方陣に向かって口を開く。


「とにかく、今からそっちに行く」


『わかったぜ! この世界の希望になるなら大歓迎!』


「……それと」


『?』


 希寿は口を止め、微かに唇を引き結んだ。

少しの沈黙の後、表情を戻して言葉を続ける。


「……ソイツは、超美人だから驚くなよ」


「ッ!?」


 突然の事に海彩はドキッとして狼狽え、両手を胸の前で握る。

 そんな海彩に構うことなく、希寿の誉め殺しは止まらない。


「日本生まれなのに珍しい、エルフみたいやサラサラの銀髪。鮮やかな瞳。体型だって引き締まってるのに出るとこ出てるもんな。何気に人の事考えてるし、おしとやかで──」


「ちょ、ちょっと!」


 海彩は耐えられず、希寿の肩を掴んで言葉を遮る。

 さすがに、今のは出会ってすぐの時とは違って本心から誉めてくれてると感じ取れる。

あまりにも自然に。

そして、その無情な希寿の瞳の奥に優しい光が灯っていたから。


「ど、どうしてそんなに私の事を……ッ。希寿くん、そんなキャラじゃなさそうなのに」


「……俺は、思ったことはなるべく伝えたい。前みたいに伝え損ねたくないからな」


「前みたいに……?」


 希寿の過去を匂わせる言葉に海彩は首を傾げる。

少しばかり気になり、口を開こうとする──だが、海彩の声が発せられる前に響いたのは魔方陣から聞こえる青年の声。


『希寿……ッ! お前、その子……だって……本気で、言ってるのかよ……』


「ああ。そうだ。コイツが……きっと、そうなんだ」


 二人だけしか事情は知らない。

 話についていけない海彩は少々困り顔でやりとりを見守る。

 と、どこか不穏な空気の漂っていた空間だが、再び明るく努めるような青年の声。


『……そう、か。そうなんだな……! うん、お前が言うなら間違いねぇよ! 俺は希寿の事を信じる!』


「そうか」


 希寿は苦笑し、「それじゃあ、後で」と言って通信魔方を切る。

 魔方陣が消えていくと、希寿は海彩の方へと体を向ける。

だが、海彩の表情を見て少しだけ眉を寄せる。


「? 何?」


「ふふっ……いえ、少し嬉しくって」


 海彩は柔らかな笑みを浮かべていた。

まるで他人の幸せを優しく見守る天使のような微笑み。

 希寿は訳がわからずと言った反応なので、海彩は言う。


「私を魔獣から守ってくれたり、私に生きる事を促してくれたりしてくれる希寿くんはきっと優しい人だと思うの。でも、ずっと寂しそうで切なそうで──そんな希寿くんにお友達のような人がいるみたいだから、嬉しいの」


 そう言って海彩は笑って見せる。

 自分でもこんな気持ちになったのは久々だと思う。

自分の事で手一杯だった海彩の生活の中に他人の幸せを願う余裕はなかった。

 なのに、彼──出会って間もない希寿の幸せを願っている自分がいる。

そう海彩は自覚した。

 それは同じような境遇の人間だったからだろうか。

理由はわからない。

ただ、嬉しいのだ。

 そして、同時に何かが胸の奥で疼いている感覚があるのだ。

それは希寿との時間が進むに連れて徐々に吹き上がってくる。

その正体は解らない。

だが、悪いものではないだろう。

 そう考えて海彩はクルリとスカートの裾を翻して街への下山道を向いて苦笑する。


「ごめんなさい、出会ってすぐなのにこんな事……私、誉められて調子に乗るようなタイプじゃないはずなのに……。とにかく、行きましょう。お友達さんを待たせちゃ悪いものね」


「……そうだな」


 希寿は小さな声で返事を返し、二人で山を下る。

 海彩の先ほどの言葉に希寿がどう思ったかは、彼女は解らない。

だが、自分でも自分らしくない発言だったと思い、海彩は忘れてひたすら道を進んだ。



      ◇



  街に着いて人通りの多い大通りを進み、再び空を飛び交うドラゴンの迫力に圧倒され、しばらく道を進むと見えてきたのは緑色の屋根の建物。

可愛らしいデザインの2階建て。

そして時々、人の出入りがある。

一見するとただの一軒家の様だが、どうやらお店か何からしい。

 海彩は見上げていた視線を希需の方へと向ける。


「ここは……?」


「さっき通信魔法で話した──ルートの家。病院をやってる。まぁ、性格にはルートの妹が医者だけどな」


「病院……〝異界〟にもこういうところはあるのね」


 海彩が少し感嘆した様子で言うと、希寿は右手に手のひらサイズの魔方陣を展開させ、説明する。


「まぁ、さっきお前がぶっ放した混合魔方に治癒魔法が含まれていたように、〝異界〟には治癒魔法が存在する。つっても、治癒魔法で治せるのは外傷だけ。内臓の病気とか風邪とかは病院に行かないとどうしようもないな」


「そうなんだ。魔法って、本当に戦闘に特化したものなのね。外傷を治せるなら、さっきみたいに魔獣に襲われた時……とかに皆使うものなの?」


「ああ」


 頷いて、希寿は先ほどの戦闘で完治していなかったらしい左腕の傷を癒しながら言葉を続ける。


「けど、治癒魔法は誰でも使えるわけじゃない。これは無属性魔法って言って、どんな属性を持つ人でも使うことのできる魔法の一種だ。と、同時に光属性の特化魔法だけどな」


「あっ、だからさっきは私も無意識に使えたのね。確か、私は光属性もあったから……」


「ああ。光属性持ちの方が、光属性を持たずに無属性魔法として治癒魔法を使うよりも、致命傷でも何でも簡単に癒せる。まぁ、魔法初心者があんな深い傷を治せるのはお前だけだろうけど」


 言い、希寿は傷を癒すと病院へと入るべく、小さな階段を数段登ってドアノブに手を掛ける。

 そのドアを引く──が、同時に病院の中からドアを開いた男の子が駆け出てくる。

 ぶつかりそうになるのを希寿が回避し、男の子はクルリと半回転して病院内の人物に手を振る。


「ありがとー!お姉ちゃん」


「はい。お大事に」


 中から聞こえるおしとやかな少女の声。

 男の子が去るのを見届け、病院内へと希寿に続いて海彩は入る。

 暖かな色味の室内。

 おそらく待合室なのだろう。

いくつかのソファーが並べられ、入り口の正面には小さなカウンターが。

入り口から一番奥のところには開いた扉があり、覗けば診察室と解る。

 患者は先ほどの少年だけだったようで、待合室には誰もいない──が、カウンターの前に佇む少女が一人。


「あ、希寿さん。兄さんから来る話は聞いてました。どうぞ」


 Yシャツの上に真っ白な白衣を羽織った少女。

格好は医者らしいが、身長は160センチある海彩の胸ほどで小柄。

栗色の髪は肩にかかるところで切り揃えられており、中央で分けた前髪から額が覗く。

ハッキリ言って、可愛らしい美少女だ。

 海彩がその美しい容姿に見入っていると、希寿が一歩進み出て少女と話し始める。


「久々、ルナ」


「はい。しばらく日本に行っていたんですよね」


「んー……ちょっとな。……穴場見つけてさ。誰も来ないようなところ」


「……希寿さん、まさか……また──ッ」


 少女──ルナの表情が曇る。

 だが、希寿は振り返って海彩を親指で指差す。


「でも、今日は先客がいたから諦めた。ついでに連れてきた」


「──?」


 ルナは希寿越しに海彩を覗く。

と、再びその表情は衝撃を受けたように目を見開き、両手を口元に沿えて一歩後退る。


「え、あ……嘘……どうして、ですか……! な、何で……この人が…!」


「えっ……? あ、あの……?」


 海彩の事を認識すると予想外な反応を見せるルナに戸惑い、驚愕された本人はどうする事もできない。

 自分が何かしてしまったのかと不安になり、何か声を発しようとした時──


「希寿ー!! 来たんだな! 魔力ですぐわかったぜ!」


 突然、奥の扉を勢いよく現れてきた青年によって遮られる。

病院内にやかましく声を響かせた当人は大股で希寿の方まで寄ってくると、ルナの少し手前で止まる。


「ん? どうした、お前ら?」


「……兄さん……だ、だって──」


 ルナがボソリと呟き、海彩を震える手で指差す。

まるで幽霊でも見たかのような様子。

 いまだに状況についていけない海彩は戸惑いの色を見せる。

この場で、唯一〝異界〟での事情を知らないのだから。

 と、青年はゆっくりと海彩へと視線を移すと、一瞬だけ目を見開く。

だが、じっと海彩を見据える。

 そうして数秒経ち、耐えきれずに海彩は口を開く。


「あ、あの……私がどうかしましたか?」


 言うと、青年はハッとしてから顔を伏せる。


「……ハ」


「「「──?」」」


「ハハハハハハハッ!!」


 突然、体をのけ反らせて豪快な笑いを見せる青年。

三人はわけがわからず、ポカンとした状態──希寿だけは驚いているのか、表情が読み取りづらい様子──だが、青年は笑いを止めると、大きく息を吐いて心を落ち着かせる。


「はー……いや、すまんすまん。えっとだな──」


 青年はチラリとルナの方を見てから、再び希寿や海彩へと視線を向ける。


「さっき、希寿が連れてきた日本人があんまりにも美人だって言うし、実際は予想以上に可愛くて驚いてな。あの希寿が人のことをべた褒めなんて──な? ルナ?」


「──! は、はい」


 青年に呼ばれ、何かにハッとした様子で話し始めるルナ。


「そ、その……本当に、髪も綺麗でお顔も可愛くてとても驚きました」


「そ、そう……ですか」


 先程の反応を見ては、そうは思えない。

だが、ルナや青年の言うことは嘘ではないように見える。

 海彩は疑問を抱えたままだが、希寿がやっとここで口を開く。


「俺だって人を褒めることくらいはある。──それより、戦闘でだいぶ疲れた。魔獣の群れにあったんだ。魔力補給してくれ」


「そうなんですか……! わかりました。すぐに準備して来ます」


 そう言ってルナは駆け足で扉の奥へと消えていった。

 そこで、青年は海彩へと寄り。


「名乗ってなかったな。俺はルートだ。希寿が〝異界〟に来てからの大親友だから、よろしくな! ちなみに、さっきのちっこいのは俺の妹のルナ。この病院を経営してるんだ」


 赤髪の髪に、逞しい肉体を見せる格好の青年──ルートはニカッと笑みを見せる。

 それを聞いて海彩は。


「あ──ふふっ。やっぱり、希寿くんにも親友がいてくれて何だか嬉しい」


「るせぇ」


 希寿はため息混じりにそんな事を言うが、それは海彩の本心だ。

 と、海彩はルートの方へと向き直り挨拶する。


「えっと、結城海彩です。色々とあって……希寿くんと〝異界〟に来ました。こちらこそ、よろしくお願いします」


 正確には〝連れてこられた〟だが、希寿の友達であり、〝異界〟の住人だ。

無礼な態度はとれない。

 海彩は軽くお辞儀をして顔をあげると、感心した様子のルートの表情が見える。


「礼儀正しくて声まで可愛いと来たか!」


「え……い、いえ。そんな事ないですよ」


 正直、海彩としては受け入れがたい。

 この容姿は、彼女の人生を苦しめ続けてきた。

日本人とは思えない銀髪に薄青の瞳。

外国人──とも少し違う顔立ちだ。

 気味が悪いと言われ、罵られ、居場所を取られ、生きる理由をも失うこととなった元凶。

そんな自分の体が憎い海彩からすれば、ルートや希寿の言葉が本当だったとしても、素直に受けとることはできないだろう。

 海彩がルートの褒め言葉に苦笑していると、扉の奥からルナがひょっこりと顔を出す。


「希寿さん、魔力補給の準備できました。後はいつものように、どうぞ」


「サンキュ」


 どうやら、普段から魔力補給というものをこの病院で利用させてもらっている様で、希寿は手慣れたように器具をいくつか受けとり、扉の奥へと入っていく。

そして、それと入れ替わりでルナがこちらへと歩いてくる。


「魔力補給は少し時間がかかるので、海彩さんには待ってもらいましょう。……兄さん、海彩さんが退屈しないように一発芸でもしてあげて」


「うえぇ!?」


「ふふっ。大丈夫ですよ。私からしたら〝異界〟は不思議な事だらけでとても退屈しないです」


 海彩がそう言って微笑むと、ルートとルナの表情も綻ぶ。

 と、海彩の視線の先──病院奥の扉の手前に何か落ちているのが目に入る。

近寄り、覗いてみると手帳の様だ。

空色の綺麗な色合いの手帳だが、使い込まれているのか汚れた跡がある。


「あの、この手帳……お二人のですか?」


 拾い、手帳を持った右腕を挙げて訊くと、ルートは首を傾げる。


「んー? いや、俺のじゃねぇな」


「確か、希寿さんの物だったかと」


 ルナが言うと、海彩は手帳に目を移す。


「落としちゃったのね。渡してきます」


 言い、希寿が向かっていった扉に手を掛け、グッと押す。

木の軋むような音を立てながら開いた扉。

 海彩は中を見渡す。

 何やら大きな機械が置かれ、そこからチューブが繋がったようなものが3つほど、パーテーションで仕切られて設置してある。

そして、その機械にはベッドが添えられている。

おそらく、アレが魔力補給に使う道具か何かなのだろう。

 だが。


「希寿くーん?」


 肝心の希寿の姿が見当たらない。

 海彩は部屋の中へと入ると、パーテーションの死角によって見えない場所を1つ1つ確認していく。

1つ、2つと仕切られた空間を覗くも、彼はいない。

ならば、一番奥の仕切りの間にいるのだろう。

それに、もしかしたら疲れているか魔力補給に集中して海彩の存在に気付いていないのかもしれない。

 海彩は手帳を持ち上げ、最後の仕切られた空間に飛び出す。


「希寿くんっ、この手ち──」


 だが、そこで海彩の言葉は途切れた。

思わず手帳を落とし、動きが止まる。

 目の前に広がる光景に理解が追い付かず、目を大きく見開く。


「ァ───ッ」


 微かに震える声で、絞り出した声は声にはならなかった。

 だが、やっと片足を一歩前に動かせるようになると、海彩は叫び、駆け寄った。



「希寿くん──!!」



 そこには、自らの手で喉を切り裂き、血まみれになった希寿が座り込んでいた。





ほんっとうに遅れて申し訳ないです。

そもそも読んでる人がいるかも不安なのですが、きっと読んでくれている方がいると思うので……多忙って恐ろしい。

暗殺者の方とも平行しながら、また週一投稿で頑張っていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします!

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