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転生Ⅱ
すると、みるみる顔を真っ赤にし彼が叫ぶ。
「てめぇ俺が無職だからって舐めてんのか!!もっといい所あるだろうがよォ!!」
「申し訳ございません。これ以外は求人がありません。」
その時、いきなり彼が鞄からなにかを取り出し僕の胸に突き刺した。それは、包丁だった。
意識が遠のく…が、不思議と恐怖はあまりなくただ眠るように目を閉じた。
「ん…」
目が覚めると周囲に何も無い真っ白な部屋の中だった。
「残念だったのう」
不意に誰かに話しかけられる。
声を辿ると白髪で白ひげをたくわえた老人がいた。
彼は言った。
「君は死んだんじゃ」
「死んだ?僕が?」
「そうじゃ じゃが安心せい死んで間もない魂は違う世界に転生できるんじゃ」
この人は何を言っているんだろう。
「まあ 説明が面倒臭いからとりあえず行ってこい」
突如床が抜け、重力に従って体が落下する。
老人は最後に言った。
「君には期待しているぞ」
そして、再度眠りに落ちた。