間に合わない
アオバ視点
どんどん斬っていけばどんどん敵の数が減っていく
僕も腕をマシンガンに変えどんどん撃ち抜いていく。背後の奴は反対の手を剣に変え切り裂く。
でもほんとはツキほど近距離得意ではないのでこないでほしい。いやわりと真面目にくんな、あっちいけ、ツキが喜んで斬ってくれるから
ちらっとツキに目をやれば口裂けてんのかってくらいニヤついて時々高笑いをしている。これが真のサイコパスである。うぉぅ…と見ているとゴットマザー様から連絡がくる
「おいチビ。そっちの様子はどうだ」
「さらっとチビって言わないでください!」
「おおー銃弾のいい音…で?今どんな感じよ、ついでにツキ危ないことしてないか?」
「そーですねぇ、ニヤケのうち時々高笑いですね」
「は?日本語でオケ」
「まぁ…はい。楽しそうです」
「お、おう。んじゃ引き続きよろしく頼むわ」
そう言い終えるとプチッと通信が切られた
それからも時々ツキの安全…いや楽しんでるのを横目に見ながら敵を撃ち抜いていく
敵の数もかなり少なくなった。勿論こちらの兵も。三十人くらいは旅立たれた気がする…これもツキが素早く斬ってくれるおかげかな?
だがそれもつかの間、バァァン!と一際目立つ銃声音。ショットガンだ。
不味いとツキを見れば斬るのに夢中で気がついていない様だった。これこそ無我夢中というやつだ。
僕は必死にツキに駆け寄るが勿論銃の弾の方がスタートは早く、更に少し離れたここからでは間に合わない
冷汗が流れる。ここで自分の部下を見殺しにしてしまうのではないかという不安でいっぱいになった
「ツキ!!!避けろぉぉ!!!!」
「キャッハハハハハッ!」
避けろと何度言っても反応がない。壊れてるのはいつものことだが夢中になりすぎだ。かかとのところについてるエンジンは運悪く故障中の為ここのところ修理していた
クッソ、こんな時に…‼︎
そこで全ての距離を計算してみた
ツキと僕の距離はおよそ大股五歩程の距離。弾は…二十センチ⁉︎
無理だ…終わってしまった
先輩としてお前にやってやれることがなくて…せっかくできた僕の後輩なのに…背中は任せろって言ったのに…あぁ僕はなんてことをしてしまったのだろう
もっと早く気づいていれば…
目から頬を伝って地面に雫が落ちる
ツキを見れば今だ楽しそうにどんどん敵を殺していく。自分の胸に弾が貫いてしまうことも知らずに…
「ツキィィィィィィィィィィイイイ!!!」
僕は最後にもう一度後輩の名前を叫んだ
ツキィィィ!気づいてぇぇぇ!
アオバ「まじでほんとに気づいて‼︎」
ツキさん、こいつサイコパスやら何やら言ってましたよ
アオバ「ちょ、おまっ!」
ツキ「…へー」
ちょ、語彙力どこ言ったんすかねぇ^^;




