クソ先輩と初めて会った日
突然何の冗談を言い出すのかと目をパチパチさせる。
うちが幹部?今まで聞いたこともないような国の?冗談やろ?と苦笑いするがシオンは真っすぐに視線を逸らさずにこちらを見てくる。
これはまじだ。
なんて返事を返せばよいのかわからない。
まだ自己紹介をして10分も経っていないのに、突然そんなことを言われても困る。
しかし困っているこちらとは裏腹にシオンはいたって真面目だ。
ここでうちが適当に「あほなん?お前、なるわけないやん。こんなほんまに存在するかもわからん国の幹部になれとか、あほなん?」と思っていることをそのまま言ってみろ。
確実に相手は心にグサッとくるだろう。グサッと。
とそこへ、失礼します。と律義に声をかけてこれまた小さい少女が入ってきた。
小さい少女は部屋に入ってくるやなんや少し怒った顔をしてシオンに近づいた。
「ちょっとシオン様!!探しましたよ!どこに行ってたんですか!」
「え、えーーと……お散歩……?」
「なんで疑問形なんですか……まったく……」
小さい少女は大きくため息をつく。
私は話に追いつけなくてただ2人をみつめていたがそれに気づいた小さい少女はチラッと私を見た後、呆れ交じりに話しめた。
「で?ここの魔界人っぽいのは誰ですか?こんなやつここら辺にいましたっけ?」
ぽいとはなんだぽいとは…!
「ん?あ、ツキっていうの!あのー…ほら、寒いとこあるじゃん?どこだっけ?」
「…北国の方ですか?」
「そうそうそう!そこで凍えてたから連れてきたの!」
「ふーーん、散歩で北国まで行ったんですか。」
「え、あっ…いやぁー…なんか適当に歩いてたらいつの間にか北国まで行っちゃてさ~…」
「ゴットマザー様に報告ですね。」
「そ、それだけは…!」
「ダメです。」
「ご、ごめんなさいぃ!!!」
小さい少女は再びため息をついて今度は私に話しかけてきた。
「でー…えと、ツキ?って言ったか?うちの国王が迷惑をかけてすまないな」
「え、あぁ、うん…?」
「僕はアオバだ。この国の幹部でシオン様の世話係などをしている。」
「…あぁ、うん」
「ところで、ツキはなんで魔界人なのに人間界にいるんだ?」
「いろいろあって、」
「そ、そっか???…てか、魔界人にキツネなんていたか?」
「……うちは白ギツネの生き残り、幸白ツキや」
「え………白ギツネって……あの……白ギツネ?」
「????えと、どの白ギツネかわからんけど多分それや」
するとアオバは「殺戮の子!?」と言って大きな声をあげた。




