国王に拾われた
それは突然だった。
透き通るような真っ白な雪が降ってきた頃の真冬の森でポツンと私は目立つ真っ黒なマントを羽織ってフードを深々と被って寒さに耐えられずに凍えてるた。
すると突然目の前に白と黒の半々の色をした少女が現れた。
寒さをこらえるのに必死で警戒心はあったものの、体はピクリとも動かなかった。
白黒の少女が優しく微笑むとこちらに手を差し伸べしてきた。
こっちにおいで。
白黒の少女が囁いた。
私は寒さで震える手で差し伸ばされた温かい手を取った。
と、突然風が吹いて私はその冷たく肌を触る風に肌が麻痺して耐えられなくてついに力尽きて意識を失った。
「おはよ!!大丈夫か!」
ふと、目覚めた時、私は知らない場所でふかふかとした暖かいベットの上に眠っていた。
私は起きたばかりでだるい体を起こして辺りを見回した。
「ここは……?」
「ここはね!トラゲールだよ!」
「……え、と………???」
「だーかーら!トラゲール!!ここはトラゲール国の城の医務室!!そして私はこの国の国王、シオンだ!」
「????」
寝起きで頭が働かない。
それにトラゲールなんて国は聞き覚えがない。
この目の前にいるシオンとか言う少女は一体何を言っているのだろうか。
未だに頭に?を浮かべていると再びシオンが話し始めた。
「あー、えと、お前が倒れたのでここまでワープして連れてきたのだが…あとお前は私の手を取っただろう?」
言われて私は思い出した。
あの時、私は寒さに耐えきれずに凍え死にそうになっているとき差し伸ばされた手に思わず手を伸ばしたのだ。
「…ありがとう……」
「どういたしまして!でー、えと…君のお名前は…?」
知らない人間に気安く名を教えたくはなかったが、仮にもこの白黒の少女は命の恩人だ。
この時私は初めて人間に自分の名前を教えた。
「……ツキ」
「ツキか!よろしくね!」
するとシオンはにっこりと笑って私の手を取った。
やはりシオンの手は温かかった。
初めてだった。
人間にここまで優しくされたのは。
私は嬉しさを隠すかのように顔を背けた。
すると突然今度はとんでもない発言をしてきた。
「でさ!ツキ、この国の幹部になってよ!」
私は耳を疑った。




