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京 〜special class〜  作者: kaze
9/13

part8 集めた情報

今回は頑張りました……

ほめて?


 ──昨日。


 確か呪いについての情報を集めてくるようにと言われた、と朝の優しい光を俺を触る中、まだ目覚めきっていない脳で思った。


 呪いとは言いつつも、俺の友達にオカルトマニアなどと言う人は存在しない。


 さてどうしたものか。ただいま登校の途中。恐らく学校に着くといつものアイツに絡まれるから、落ち着いて考えていられるのはこの登校の時間だけとなる。

 ……手あたり次第神社仏閣に行ってみるというのは一つの手かもしれない。何かそういう類のエキスパートって感じがするし。

 そこでお守りでも買って帰れば万事解決な気がする。それで芽衣の言っている呪いとやらが治るかは知らないけれども。

 しかし。

 行く時間がないというのも一つの問題である。

 芽衣は今日も俺の家の前で待っていると言っていた。それも恐らく今日と同じ時間帯だろう。

 と言うことは寄り道して帰ると当然怪しまれることになる。

 ……と言うことは神社に行こうぜ計画は実行出来そうに無さそうだった。

 待てよ、これって今のところ……

 Plan(神社に行こうぜ計画)

 Delay(神社に行く時間がない)

 Cancel(計画を諦める)

 と言うPDCまで来ているから後は残りのAを実行すればいいのではないだろうか。

 無理やり神社に行くのではなく芽衣に謝る方向で。

 これでPDCAサイクル。とてもいい循環。

 ……そんな訳がないと。俺の奥深くに眠る第二の俺にそう言われたような気がした。

 実際そんなもの居ないし、ただ冷静に考えてみただけなのだが。現実逃避をしようとするのは俺の悪い癖らしい。

 しかもこんな事を実行しようものなら恐らく芽衣は俺が計画した所で殺しにかかって来るだろう。つまりは──

 Plan→Deadと言う死への一直線になってしまう。

 それは避けたい。もう死にたくねえ....

 と言うことで俺に残された選択も少なくなって来てしまった。

 何より時間がないと言うことが決定的な問題となってしまった。自由に行動できる時間が学校にしか残されていない。

 学校。学校。学校……

 行きたくねえ。いっそのこと今から家まで引き返したい位に。

 「でも現実逃避しても現状は変わらないからなぁ……」

 ──よし。

 残された自由な時間が学校しかないというのなら。

 学校で情報収集するしかないという事だっ!



──学校。

 「よう!空也。今日はこの世の終わりみたいな顔をしてるぞ?……」

 「まあ、ちょっと色々あったんだよ……」

 「何か悩みでもあるんだな?ならばこの俺、高尾サンが話を聞いてあげるぞ!」

 「いや、悩みじゃないんだが」

 「何でもいいから話してみろよ!どうせ何か困ってるんだろ?!」

 ……だ、そうだ。他に聞くやつも思いつかないし、聞いてみるか。

 「呪いって知ってるか?」

 「もしかして昨日『これを見たら呪われます』的なやつでも見たんじゃ……」

 そう言うなり笑い出した。

 うん、聞いたのが間違いだったかもしれない。

 「まあ、それでもいいけどさ。とにかく呪い関連で知ってることとかないのかよ」

 「さあ?俺はそんな子どもじみた事なんて信じないしな」

 溜息交じりに「そうか……」と言おうとした時。

 「あ、でも人を呪うスポットがあるっていうのは聞いたことがある気が……」

 「人を呪う?」

 それは少し純粋に興味があるような……

 「確か夜中に舟八口神社って所に行けば人を呪えるって誰かから……いやテレビだっけ?聞いたことがあるぞ?」

 「何でお前が疑問形何だよ……」

 「俺もその時は気に留めてなかったから詳しく覚えてないんだよ……」

 気に留めてなかった割には神社の名前は憶えてるんだな。一体誰か呪おうとか思ってたんじゃないのか……?

 「まあ、とにかくありがとな。全然助けにならなかったけど」

 「一言多いな!」という高尾の声と共に始業のベルが鳴った。





 「で、何かわかった?」

 その声はは余りに突然に、驚くべき速さで俺の耳へと伝わってきた。

 家の前。今日も芽衣はそこにいた。

 「舟八口神社が呪いに関係する場所って位だな……」

 「舟八口神社ね……」

 何か意味深そうに芽衣が呟いた。

 「知ってるのか?」

 実はもうそこに行ったけど呪いは解けなかったって言うオチはやめて欲しい。

 「ええ、実は今日私もそれを聞いたのよ。ついさっき」

 あれ……?と急に芽衣が小首をかしげる。

 「あなた……誰?」

 どうしたんだ?急に。

 「俺は俺だけど……?何か変な事でもあったのか?」

 こいつが急に変な事を言い出すときはマジでシャレにならない。例えばナイフを急に持ち出して俺に刺しかかって来るとか。

 「いえ……さっき通りすがったあなたみたいな人に同じような事を言われたから……」

 俺みたいな人?

 「でもよく考えてみればその人の髪の色あなたと違って白かったし、やっぱりそっくりなだけだったわ。ごめんね」

 白?俺と似たような容姿で?

 「で、そいつは通りすがりになんて言ったんだ?」

 「え……この街の北にある舟八口神社に行けって。あなたかと思って呼び止めようとしたけど直ぐにいなくなってしまったわ」

 「そ、そうか……」

 恐らくは俺が死んだときに会ったアイツの事だろう。なんで俺たちの事情を知ってるんだ?

 「もしかして、知り合い?」

 「ま、まあそんな所だな……それで、これからどうするんだ?その神社に行ってみるのか?」

 「そうね、今から行きましょう」

 ……。

 「え?今から行くのか?」

 「そのつもりだけど何か用事あるの?」

 「特にないです……」

 別に断る理由とかはないんだが……。それでも気が引けるというか。

 「じゃあ決まりね。早速行きましょう?」

 そう言う芽衣は今までにないくらいに嬉しそうだった。

 ……なんで?俺もう家でのんびりしたいんですが!

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