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京 〜special class〜  作者: kaze
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Lastpart 呪いの解呪

前回後数話続くって言ったけど今回で終わろうかなと。

何か全く終わってない感じするけど。

そもそも始まってすらいなかったんじゃね?!

 「そろそろ俺たちの話題は、本題へと移ろうとしていた。」

 ……?

 これを言ったのは、勿論俺ではない。

 目の前の巫女が言ったのである。

 それにしてもデジャヴ。つい先日ぐらいに同じように心を読まれて誰かに言われたような気がする。

 「つまり君は魔力が何かさっぱりわからないって事かしら?」

 改めて魔力について聞いてくる。

 魔力なんてものは漫画でしか聞いたことがねえな。しかもその読み方がマゴイ。

 「まあ、そうだな」

 「うそついてるんじゃない?」

 ニヤリと口の端を上げながら言う。

 ここで、俺がとある事を閃く。

 「そうさ、俺は嘘をついている」

 俺もニヤリと口の端を上げる。

 「嘘つけ」

 残念ながら即答されてしまった。悲しい。

 にしても、俺の心読めるんだからそんな事聞かないでもわかるだろうに。

 「とりあえず、もう暗いし君たち帰ったら?」

 言われてから周りを見ると、もう殆ど辺りが見えないことに気が付く。

 もうすぐ冬至だし仕方ないけども。

 「じゃあ、もうそろそろ……」

 言っている途中で芽夕が、

 「私の呪いは解いて貰えないんですか?」

 と、言った。

 その言葉現代の人が言うのに凄い違和感感じるぜ。江戸時代くらい連想しちゃうぜ。

 そんな俺の思考はお構いなしに目の前にいる巫女の女性は答える。

 「いや、さっきも言った気がするけど君のそれは呪いじゃないんだよ?」

 「つまり治らないと……?」

 確かに治してもらわないと俺の命が危うい。実体験的な意味で。

 「……そうだなぁ」

 困ったようにうーんと考える。

 「わかった。私がそれを治してあげよう。実際には治してないけど治してあげよう!」

 言ってる意味がさっぱりわからない。 

 「具体的には毎日呪いが解けたと自己暗示をするのさ。それで必ず治る!」

 「え、えぇ……」

 流石に芽夕は驚きを隠せていない様子を見せる。

 チラと俺を見た芽夕の瞳がこの人胡散臭いと言っている。

 「本当なんだよ?要は気持ちの問題なのさ。プラシーボ効果ってのもある位だし!……私はよく知らないけど」

 熱弁する巫女服の女性に対し、芽夕は苦虫を嚙み潰したような顔をする。

 「じゃあ、これを渡そう!」

 そう言って巫女服の袖から取り出したのは一つの御守り。

 「これは舟八口神社の御守りよ。この御守りに毎日さっき言ったことを願掛けするのよ」

 そう言って御守りを芽夕に渡す。

 「あ、ありがとうございます」

 「それじゃ、気を付けて帰りなよ」

 そう言うと、俺たちの背中を向けるなり闇の中へと消えてしまった。

 「じゃあ、帰るか」

 そう言って芽夕の方を向くと、芽夕は右手に御守りを握りしめながら

 「えぇ。そうね」

 と、微笑みながら答えた。

 「あ、どうせなら俺も御守り貰っておけば良かったな」

 なんとなく、惜しいことをしてしまったように思える。

 「別に、貴方は御守りなんて持っていても意味ないじゃない」

 「なんでだよ……厄除けとか健康とか意味あるだろ」

 「死んだら治るものばっかりじゃない」

 そう言った後芽夕は笑い出す。

 なんて不謹慎なんだよ!?俺もう二度と死にたくねえ……

 「じゃあ何か重い病気にかかったら私に言ってね。いつでも殺すから」

 「これから健康に気を遣うようにしないと……」

 とりあえず週末のファストフードは止めるかな。

 「そういや駅ってあそこで合ってるよな?」

 そう言って道の先にわずかに光がある所を指す。

 来た時にも見たが、駅の近くにはいくつかの街灯があった。

 「たぶんそうね……。あれ、でもおかしくないかしら?」

 そう芽夕が言った時、俺もおかしいことに勘付く。

 「……ね?駅がこんなに近くにあるはずないでしょ?私たちは少なくとも数十分は歩いたはずなのに」

 「確かにな……これもあの巫女服の所為なんじゃないか?」

 急に俺たちの前に現れては自分を化身だと言い出して心を読んだヤツの事を考えてみる。

 「それもあり得るわね。まあ、何かの気の所為でしょ」

 「それもそうだな」

 巫女服の女性に比べると別に駅が近くにあるのもラッキー程度にしか考える事が出来た。

 俺たちが駅に向かって歩く度、酷く寒い風が後ろから前へと吹き付ける。

 その都度俺の服の中の空気を循環させ、寒気を感じさせる。

 ふと、今が何時か確認しようとポケットからスマホを取り出す。

 最近日が暮れるのが早くなって来ているせいで、イマイチ時間間隔が掴みにくい。

 時計は六時過ぎを示していた。

 上を見上げると、たくさんの木々の隙間から快晴の空が見える。

 空はこれ以上黒くなることは無さそうだった。

 「この時間の電車って何時くらいになるんでしょうね?」

 「結構遅くなりそうだな……とりあえず時刻表を見ようぜ」



 

 三十分以上待った。

 つまりは俺はその間極寒の風に吹きつけられていたと言う事を示している。

 実際極寒とまではいかないのだが、余り厚着をしてこなかった俺にとっては十分にその位感じた。

 そんな俺とは対照的に厚着をして来ていた芽夕は特に寒がっていた様子は無かった。

 電車に乗った後からの帰り道は比較的楽だった。最寄り駅まで着き、芽夕と別れて帰路に就く。

 ようやく俺の一日が終わろうとしていた。

 しかし実際今日自体は全く長くなかったような気もする。

 俺の中では今まで続いてきた長い何かがようやく今日幕を閉じたような気がした。

 もしかするとそれさえも短く感じるような日が来るのかもしれないが。

てなわけで、終わります。

終わるというより仕切りなおしたい気の方が強いだけというか……

では

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