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京 〜special class〜  作者: kaze
10/13

part9 いざ、神社へ

一か月ちょっとぶりの更新だと思いますが、まだ生きてます。見捨てないでください……

 「え、まじで行くのか?」

 それは大いなる川の流れをせき止めるように俺の口から言葉が飛び出してきた。

 「今更何を言っているの?」

 「……場所とか知ってるのか?」

 「……知らないわ……」

 結構ノープランなんだな。こいつ。

 「と、とにかく北に向かえばいいんじゃないかしら……?」

 結構適当なんだな。こいつ。もしかすると俺はこいつにノープランで適当に殺されたのではないだろうか。

 「じゃ、じゃあどうするのよ?」

 不安そうに俺に聞いてくる。

 「まあ、調べたらいいじゃないか?」

 そう言いつつ俺はスマホを取り出した。流石情報社会困ったときは検索すれば出てくるだけで知りたい情報が出てくるんだぜ?最早スマホが俺の脳みそみたいなもんだな。

 「舟八口神社だったよな?」

 「えぇ。そうよ」

 そう言いながらスマホで検索をかける。

 「お、出てきた」

 スマホで検索して出てくるという事はまあ普通の神社なんだろう。呪いが関連していれど。いや、むしろそういうのに関連していた方が出てきやすいのかもしれないが。

 「で、どこにあるの?その神社」

 「この町のホントに北の方だな。でも大分遠いな……」

 そこで、芽夕の方をチラと見る。

 見ると、何かあったのかというように俺に首を傾げて来る。

 どうやら、こいつは問題なさそうだな。

 「じゃあ、行くか」

 「えぇ、行きましょう」

 目的地を舟八口神社に設定した。

 「そういや、連絡先交換するか?」

 歩いながら、芽夕にそう聞いた。一先ず、向かう先は駅である。

 「私、今日ケータイ持ってきてないの」

 「普段持ち歩かないのか?」

 「……別に必要ないじゃない?」

 ……クソ、毎日家の前で待たれたら怖いから聞いておこうと思ったのに。

 もしかしたら、これは受け入れざるを得ないのかもしれない。……まあ、今度持っている時にでも聞いてみるか。

 兎に角、今するべきことは神社に向かうこと。そしてあわよくば見事芽夕の呪いを解除出来ればこいつとはもう関わる必要がなく、殺される心配すらしなくていい!

 そう考えれば、今日のたった束の間の安らぎなど無くなったところで何の惜しみも無い。

 「ここからどう行けばいいの?」

 俺を少し見上げる様に芽夕が聞いてくる。

 「ええっと……ちょっと待ってくれよ……もうちょっと行った先で右に曲がった駅に着くな……」

 と、ここで、芽夕が少し頬に笑みがあるのに気付く。

 それと同時に背中に寒気を感じた。そう、さっきも同じように笑っていた事を思い出したからである。

 それだけではない。今日の芽夕はいつも以上に笑って嬉しそうにしているような気がする。

 そこで、俺の芽夕センサーが反応した。

 俺の芽夕に対するいつもと違う行動に対する俊敏性は異常であることを自覚している。原因は分かっている。殺された事が原因だろう。(殺されかけたことも含め)

 しかしそれでも俺は気になってしまう。もしかすると神社の近くまで連れ込んでそのまま殺されてしまうかもしれない。

 「そんなにこっちを見て何かあるの?」

 少し首を傾げながら俺に聞いてくるその姿は、一見して可愛らしく見えるのだろうが、俺からすれば更に不安にさせてくるような物だった。

 「いや……芽夕がいつもより笑っているからだな……」

 その後の「殺されそうで怖い」までは言えなかった。

 「そ、そう?そんなつもりはなかったけど」

 意外と自然そうに言ったその言葉は俺を少し安心させた。

 「もしかして、殺されそうとか思っていたりした?」

  ……安心は恐怖へと変わった。




 電車は、一本で神社の近くまで行くことが出来る。近くとは言いつつも、そこからしばらく歩かなければならないのだが。

 しばらく電車の揺れに従っていると、段々景色が住宅街から、木や草といった自然に変わっていく。その変わっていく景色から、どれだけ遠いところに来たのかというのを実感する。

 遠い所に来たとは言いつつも、行く先も同じ市内なのだが。

 更にもう暫くすると、電車の外が暗くなってきていることに気づく。単純に日が沈んで来た事もあるが、森に入ったことが分かった。

 この町の端の殆どは山で囲まれている。なので、森に入ったと言うことはこの町の端に近づいているということを示している。

 少しすると、目的の駅に着いた。

 「すごく暗いわね……」

 外は、電車内から見ていた以上に暗くなっていた。

 「確かに暗いな....」

 駅の改札を出てから、そう呟いた。

 駅からは一本の道が直線に延びている。右手からはザァァと、水の流れる音がする。川が流れているんだろう。

 左は一本の道を境に山が広がっていており、山から生える木の幹は、道を覆い被さる様に伸びていて、風に吹かれてゆっくりと揺れている。

 ここで俺はもう一度一本の道を見た。外灯が無いせいで先がはっきりと見えない。

 「ここからどう行くの?」

 暗くてよく見えない事を恐れたのか、芽夕が聞いてきた。

 「ここからは、この道を数分歩くだけで着くはずだと思うけど、少し暗すぎないか?」

 「暗いけど直ぐに着くんでしょう?」

 「確かにそうだな」

 と、俺が言い終わる前に、芽夕が歩き出した。

 まあ、直ぐ着くはずだし道に迷うことも無いか。




 数分で着くと思って来たのだが、既に10分程度歩いた今、全く着く気配がなかった。

 「ねえ、ケータイで現在地を確認してくれるかしら?」

 流石に少しおかしいと気付き始めたのか、芽夕が俺にそう聞いた。

 「ちょっと待ってくれよ……」

 その言葉に少し焦りを含ませつつも、俺は地図のアプリを開いた時、更に1つのことに気付く。

 「すまん、ここ圏外だった……」

 俺の放ったその言葉に対し、芽夕も少し焦りを感じた様で

 「そう……。と、とりあえずもう少し進んでみましょ」 

 と、先に進む事に決めた。


 更に数十分程度か歩いたが、神社は見つからない。それどころか辺りが先ほど以上に暗くなって来ており、殆ど周りが見えない。

 「もうそろそろ帰った方がいいんじゃないか?」

 時計はもうすぐ6時を迎えようとしている。

 恐らくこんな時間に神社は営業してはいないだろう。

 「そうしましょうか……次来るのはもう少し場所を調べてからね」

 「すまん……この道で合ってたはずなんだけどな……。てか何も見えねぇしライトでもつけるか」

 駅の方角へと歩く方向を変え、ライトをつけようとスマホの画面をタッチする。

 ─ライトは、地面を照らすよりも先に人を照らし、写し出した。


 

 

まだ続く予定なので見捨てないでください……

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