繋がる真実
エーラにはその破壊音が聞こえていた。
エリルの後を追ったアリーヤと別れ、共感覚による俯瞰視で辺りで何が起きているか探る。
『アノーラ、多分街の南側だよ!』
『みたいだね。近寄っちゃダメだよ、エーラ』
『うん!近くでもさっきから誰かが助けてって叫んでるし、凄く怖いよ』
『叫んでるって……聖獣さまの声?』
『こんな悲鳴が周りに聞こえてないなら、多分そうかな?』
その悲鳴が何か分からない二人はただ騒乱の元を避ける様に道を行く。
と、共感覚の俯瞰視点でアノーラは何かを見つけた。
『あっ、街の入り口に居たペトスコスのおじさんだ』
『ほんと?じゃあその人に頼めば……』
『っ!エーラ!放出!』
『へ?ふわ!?』
瞬間、建物を突き破ってもつれ合う二匹の巨獣が現れ、同時にエーラの体が勝手に動いて氷と冷気の盾を作る。
(魔力交信……!?何で!?)
意識を捉えている人間に魔力で強制する魔導を受け、同時に二匹の巨獣に巻き込まれる様に吹き飛ぶ。
反射的にその巨体に触れると、
「ふぇっ!?ペトスコスのおじさん!?」
『なんと!?貴方はノーラ殿下の御息女!?』
ソペクネフェルが驚嘆しながら応えた。
エーラが見れば、そこにはソペクネフェルだけでなく猛るヒエラコスフィンクスも居る。
「貴方は街道で出会った……!」
声を聞けば憤怒と狂気のさけび声しか聞こえず、とても話は出来ない。
一方のソペクネフェルは更に内心冷や汗を垂らした。
(いかん……いかんぞ!ノーラ殿下の御息女とあれば、何かあればノーラの森全てを敵に回す!最早パスガノのみの問題にならん!バルミアそのものの危機に陥る!何とかせねば!)
ぎりと顎を鳴らすがこの体勢ではどうにもならない。
魔導は打てず、人の姿に戻れば石化の霧に耐えれず、ただひたすら重しとしてしがみ付く他無い。
しかしここで動いたのはエーラだ。
(さっきから聞こえるこの悲鳴……この聖獣さま……もしかして……!)
先のグリンブルステインの言葉を思い出す、『戦士』と。
その言葉が漸く結び付き、エーラは意を決した様に表情を締めた。
『アノーラ、あのね……』
『もう、聞かなくても分かってるよ。しょうがないなぁ』
向こうから仕方ないと漏らす溜息が聞こえ、同時に意を決した気配が伝わる。
『精霊殿のスキルコンビネーションアタックだよ』




