初戦闘なじいちゃん2
全く予期せぬ攻撃だったからか、ゴブリンはよろめいてから暫く呆け、
「ブチ殺す!」
言ってからその鋭い爪を直線に突いて来た。
「ほう…痩せているからこれで寝るかと思ったが、これは中々に頑健よな」
そんな事を言いながら突きをかわしたゲンゾーは膝と肘でゴブリンの肘関節を挟む様にして砕き、
「あぎっ!?」
「そら、遅いぞ」
そのまま鼻面に蹴りを叩き込んだ。
右腕がダラリと下がったゴブリンは左手で鼻面を抑えながらゲンゾーを睨む。
「レベル1のクソガキがぁっ…!クソ生意気にも俺様をこんな目にぃ!」
そして残された左手に短剣を握り、身を縮めながらゲンゾーに迫る。
「死にかけの豚みてぇにズタボロにしてやらぁ!死ねぇ!」
と、突き出した左手はゲンゾーに当たらず宙を突き、
(あ?ガキ、どこへ…)
その場にしゃがんだゲンゾーに気付かず、
「おご!?」
掌打を顎に、
「はぐっ!」
鳩尾、水月に肘を受け、
「ぶはっ!」
喉仏に膝蹴り、そして
「がぶ」
脳天に肘打ちを受け、白目を剥いてその場に伏した。
ゲンゾーは掌を軽く払い、ゴブリンを見下ろす。
(しかし頑健な者であった。最初の二撃で屠るつもりであったが………いや、儂の修行不足か)
そして背に回した小さな手を握る。
自分が守った、か弱くされど確かな命を。
「チコや、もう大丈夫だぞ」
「………やっつけた?」
「うむ。しかし危ないと分かっただろう?もう山に来てはならぬぞ」
「でもおにーちゃん入ってる」
「儂は良いのだ」
「じゃあチコも良い」
「何故そうなる………」
ステータス更新
NAME・ゲンゾー
レベル・1
クラス・不明
筋力・F(EX〜H)
耐久・G
敏捷・F
魔力・H
対魔力・H
属性・不明
保有スキル
陣地作成・F
徒手空拳・D
固有スキル
異界の魂・A