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ガーディアン  作者: フライング豚肉
第二章・ジプシーの意味は放浪者
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影渡の戦士達

「して、ネフティス殿」

「何かね?」

「ここはパスガノの何処であろうか」

「パスガノ中央、ワシの館の前よ」


ソペクネフェルからの治癒を意識して受け入れながらゲンゾーは聞き、ネフティスは応える。

治癒に幾らか身体を軽くしたゲンゾーはぐるりと肩を回し、惚けながらも聞かない事を聞くべきか迷う。


「安心せい、お主を引き止める気は無いぞよ」


が、あっさりと応えられた。

その返しにややバツが悪くなった様にゲンゾーは頬をかき、参ったと言わんばかりに溜め息を吐く。


「ネフティス殿は心が読めるようですな」

「冗談めかすでない。薄々察しておったじゃろう?」

(どうやら見透かされたらしい)


隠し事は無理かと苦笑すると壮年の男の足元から声がした。


「親方様、どうやら追跡には失敗した模様です」

「……そうか」


何かと足元を一瞥すると、壮年の影を、まるで水面から頭を出している様に若いジプシー族の男がいる。

驚嘆をどうにか飲み干し、しかしネフティスは見透かす様に笑う。


「この影渡がお主とワシの孫娘を救ったのじゃよ。そう警戒せんでよいわい」

「成る程、故にあの時影から声がし………孫娘?」


と、思った疑問を吐くとセレが目を覚ましたのか、身を揺すってやがてゲンゾーとネフティスに気付く。


「黒檀様、お祖母様?」

「ほっほ、まだこの時分に眠くなる子供かえ?託宣の通りならばこれこの通りじゃろうに、伴侶を蔑ろとはのぅ」


何か思考のやり取りがあったのか、しかし今一分からないゲンゾーは不穏な言葉に僅かに冷や汗を垂らし、セレは顔を赤くして俯く。


(はんっ……りょっ……?い、いや待て、落ち着け儂。何ぞ聞き間違いに違いあるまい!生涯未婚だった前世を思うのだ。儂は結婚しようにもどんな女性ともジェーム○・○ンドの如く続かなかったであろうが。うむ、儂に限ってそれは無い。確かに大人しく共に有っても疲れぬ上に器量も良い娘だがそれ即ち肉体は18だが心は100歳越えの儂如き爺が80年下の娘とする事すると言う事。犯罪だのなんだの以前の話だわい。儂落ち着け儂聞き間違いよ聞き間違い儂ひゃくさい儂ひゃくさいそうっ!きっと感無量の聞き間違いであろう!その通りだとも!セレ嬢無事で良かった!80歳年下の嫁とかそんなしあわせ……違う!ふらふらした事などああしかし男の悲しい性よって何満更でも無いのだ儂!落ち着け、超落ち着け儂!)


この長考、約3秒間である。

不穏な言葉を敢えて突っ込まずゲンゾーはお茶を濁す様に口を開く。


「そっ、そちらの御仁が儂等をお助けにっ?」


それはネフティスの手を支えていた壮年の男だ。

男は影の中の青年に手で合図して消えさせ、恭しく頭を下げる。


「ネフティス様の護衛官、セトナと申します」


セトナと名乗った壮年の男はセレとよく似た魔力紋を額に宿した男だ。

親戚か或いは父親かなのだろう、見れば身体つきもジプシー族ながらも戦士のそれらしくしっかりしている。

その一方でゲンゾーは先の言葉を思い出す。


「追跡、と仰っていましたが、儂等を襲った輩に間諜を?」

「はい。しかし余程の手練れらしく、追跡を逃れたようで」

「……左様ですか」


しかし落ち着きを払ってそう応え、思念を読まれるならばとその落ち着きの理由をネフティスに話す。


「ネフティス殿、儂はこの度儂等を襲った者共の見当は付いています。そこで貴方のお力をお借りしたい」

「ほう?」


事のあらましを話す中、読心可能な相手に駆け引きは無為だと悟り、敢えて全てを話す。

一通り聴き終えたネフティスはやがて唸り、ソペクネフェルが応える。


「成る程、ならばそちらは私にお任せを」

「かたじけない、ソペクネフェル殿。ひいてはネフティス殿」

「うむ。其方の予想ならば、一日は待ってもらわねばな。しかし妹御は大丈夫かね?」

「相手が本当の意味で雇われた専門家ならば間違いなく保険として生かしておくでしょう。少なくとも儂ならばそう致します」


そう応え、うむとネフティスは応える。


「ならばセレ、お主は黒檀の拳士殿とこの部屋におれよ。ブバスティスどもに見られてはかなわん」

「は、はい……」

「それと黒檀の拳士殿、聞き間違いではないぞよ」

「ファッ!?」

「ワシは成しても構わんとだけ伝えておくかの」


変な声が漏れた。

あと変な補償ももらえた。

しかし心まで読まれる相手にこれ以上痴態を晒すまいと深い息を吐いて一意専心する。

どうでも良い事に。


(白米楽しみだの。ごはん楽しみだの。団子どっこいしょなどせんぞ儂は)

「ほっほぅ、白米が好みかえ。パスガノにもちゃんとあるでな、これは更にセレが有利じゃな、花嫁修行までして行くかえ?」

(おー、白米あるー。良かったー。もう無心であるなー)


無心の修行と一先ず寝具の上で座禅を組むゲンゾー。

セレはセレでその手の知識が全く無いのか、首を傾げている。

と、また影から頭が出てきた。

先の男とはまた別のジプシーの男であり、故意につけられた傷跡が目元に有る。


「親方様、ブバスティスの旦那が例の倉庫街から出て来るのを見やしたぜ」

「当たりか」


そう応え、セトナはネフティスを仰ぐ。


「ネフティス様」

「うむ、パスガノの闇を掃除する良い機会じゃの」


そして各々行動を始めるのだった。



ステータス更新


NAME・セトナ

レベル・62

クラス・メジャイ

筋力・D(EX〜H)

耐久・B

敏捷・A

魔力・D

対魔力・D

属性・闇

保有スキル

隠行・A

歩法・B

特性魔導・A

固有スキル

ジプシー族・B

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 妹攫われてるのにこんな呑気にしてる場合じゃないような… 普通だと鬼気迫る勢いで探そうとするのを周りから抑えられる場面かなと思うんですが白米の事考えたりいきなりラブコメしてるっていうのが…
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