パスガノの刺客
ゲンゾーらのいる宿屋を見下ろす影が二つ。
一つは腰に長剣を下げて不敵に笑む痩躯の男。
もう一つは顔に布を纏った中肉中背の男だった。
布を纏った男は溜め息を吐き、隣の長剣の男に話す。
「……一人生き残ったようだが」
「あー、良いの良いの。アレどうしようもねぇザコだから。ほっといても死ぬわありゃ」
長剣の男は興味無さげに耳をほじり、ふっと指を吹く。
「それよかよ、あの例の魔獣は使えんのか、没落坊ちゃんよ」
「……既に調整は終わった。後は連中がこの街を去り次第放つのみ」
「はぁ?」
と、長剣の男は顔を歪める。
「あんなゴミ虫連中に何イモ引いてんだよ。諸共ブチ殺しゃ良いじゃん」
「まだ黒檀の拳士の実態が掴めていない以上迂闊な真似は出来ん。事は確実に運ばねば」
「……あっそ」
長剣の男はつまらないと言わんばかりに目を背け、欠伸を一つ。
「けどもう俺あの畜生を出しちまったぜ?」
「何!?」
布を纏った男はその言葉に驚愕し、僅かに掴んだ『何か』の気配を感じ取って歯を噛む。
「貴様……!」
「ホント、お前って愚図だよなぁ。御大層な御託並べる割にいつも後手後手、だからお家お取り潰しになったんだよ。あ、関係無いっけ?有るよな?」
長剣の男は下卑た笑い声を上げ、僅かに響いた悲鳴を聞く。
「まぁ見とけって。俺が本当に才能有る戦いっての見せてやるからよ」
「……この事は上に報告するぞ、ガロン」
「どーぞ。ベリナスの旦那はお前みてぇな没落坊ちゃんの言う事より剣の名家たる俺の言葉を信じるだろうがなぁ」
ガロンと呼ばれた長剣の男を残して消える布を纏った男。
ガロンは迫る巨大な気配に口の端を釣り上げる。
「黒檀の拳士ってぇの?俺が倒したら俺が最強って事じゃね?」
その気配はゲンゾーらのいる宿屋に向かっていた。
ステータス更新
NAME・ガロン
レベル・41
クラス・剣士
筋力・C(EX〜H)
耐久・D
敏捷・B
魔力・C
対魔力・D
属性・雷
保有スキル
リヴァレ流剣術・C
属性魔導・D
干渉魔導・D
才覚・C
固有スキル
タリオスの祝福・A
剣護・D




