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ガーディアン  作者: フライング豚肉
第二章・ジプシーの意味は放浪者
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無属性魔導

「何だありゃ!?魔獣か!?」

「知らん!敵で良かろう!」

「違いねぇ!」


ゲンゾーとエリルは二手に分かれ、挟撃する様にヒエラコスフィンクスを囲む。


『巡れ!』


素早くエリルは火炎球を放ち、ヒエラコスフィンクスをゲンゾーに寄せ、


「ぜぇっ!」


ゲンゾーはヒエラコスフィンクスの上半身、首の部分に浴びせ蹴りを放つ。

が、ヒエラコスフィンクスは止まらずその口から霧の様な物を吐き出した。


「ぬぅっ!?」


素早く距離を取るが片脚が霧を掠め、急に重くなる。

見ればブーツが完全に石になっていた。


「石化ブレスだ!ゲンゾー、逃げろ!」

「この程度!」


着地と同時に踵を鳴らすと脆い石と化していたのかブーツが砕け散り、ゲンゾーは再び構え直す。


「ゲンゾー!?大丈夫なのか!?」

「応!無属性様々よな!」


どうやら魔術的な干渉らしく、ゲンゾーは無傷である事に安堵し、しかし表情は険しくなる。


(まずいな…儂はともかくエリルはあの面妖な霧に耐えれまい。軽々に前には出せんな。しかして儂ではあの巨獣を倒しきる膂力は叶わぬ)


どうにも打つ手が無いと感じながらヒエラコスフィンクスを見据え、しかし魔導を構えるエリルを一瞥する。


『猛れ!』


太い火柱が直撃するがヒエラコスフィンクスは最早見向きもせず魔力防壁を展開し、完全に防ぎ切る。

加え、もともと魔力の決して多い訳ではないエリルなせいか、息を切らせながら膝をついてしまった。


「畜生…!」

「………」


その様を見ていたゲンゾーはヒエラコスフィンクスの爪をかわしてエリルに寄り、ぽつりと尋ねる。


「のう、エリルや」

「あん?」

「属性魔導とはどうやるのだ?」

「は?」


考えていた事が有る。

先のアレッサドリとの戦闘で魔導の恐ろしさと絶対的優位性を知ったゲンゾーは、自身も使えれば或いはと考えていたのだ。

そしてエリルは知らぬ間に属性魔導を使えている。


「えっとな、なんか気合いこめてむんってやると出る」

「よく分からんの。詠唱なんぞは有るのでは無いかね?」

「あん?あんなのは単なるキッカケ作りだ。適当だよ」

「ふむ」


どうやらコツさえ掴めば入り口には立てるらしい、そう判断したゲンゾーは肚に力を込める。


(胆力だけは負けんぞ。儂もいよいよ眉唾な力に頼るかね)


迫るヒエラコスフィンクスに向かい、


『喝!』


人差し指と中指を突き出した。

瞬間、指差した方向、ヒエラコスフィンクスの左目付近の空間が歪む。

何かと思う間も無く、


「!?」


力場が一瞬にして弾け、ヒエラコスフィンクスの左目を抉った。

魔力防壁を完全に無効化し、単純な魔力の力場で部位破壊を行なったその属性魔導はヒエラコスフィンクスにも未知な物であったのか、悲鳴を上げながらヒエラコスフィンクスは飛び去る。


「野郎、逃がすか!」

「待て!」


飛び去るヒエラコスフィンクスの背に一撃をと考えていたエリルを制し、掌を閉じては開くゲンゾー。

エリルは振り返り、応える。


「………良いのか?ほっときゃまたどっか別の隊商が襲われるかもなんだぜ?」

「『戦は五分を以って上とすべし』。儂らの目標は護衛であって殲滅ではない。逃げるなら深追いせぬさ」


属性魔導の感覚を朧げながら掴んだゲンゾーはそう言い、歓声の上がる隊商へと向かって歩き出した。

そんな中、セレは飛び去ったヒエラコスフィンクスの背を見遣り、身を縮める。


(あの人……ずっと『返せ』って叫んでた……)


ステータス更新


NAME・ゲンゾー

レベル・2

クラス・不明

筋力・C(EX〜H)

耐久・D

敏捷・B

魔力・G

対魔力・G

属性・無

保有スキル

陣地作成・F

拳法・F

見切り・A

属性魔導・G

固有スキル

異界の魂・A

不屈の精神・A

精霊の祝福・A

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