暗雲
同じ頃、ヴィラレスク委員会に珍客が来ていた。
ブロンド、というより金と呼ぶに相応しい髪の短髪に碧い瞳、その鋭い眼光に見合った痩躯、しかしその身体は決してか細い訳ではなく、ただ単純に強さを秘めた体躯だ。
その穏やかな風体に似合わない野心に満ち満ちた瞳はどこかの王宮内にあるヴィラレスク委員会の一員と話す。
「そういう訳だ。我々使徒達は既に行動を開始しているが、君たちはどうかね?」
聞かれたヴィラレスク委員会の男は些か慌て気味に応える。
「私どももヴィルコラク団から幾人か派兵しております。掌握は時間の問題かと」
「その様な言葉を聞きに来た訳ではない。私が聞きたいのはその時間だ。既に星占に依れば件の者達が行動を始めている。輝石の確保、そして何よりあの預言者を消すは重要だ。足りぬと言うならば私が手を下す」
「お、お待ちを!」
と、身を翻そうとした男をヴィラレスク委員会の一員が止める。
「何かね?私が赴くと拙い事が?」
「い、いえ!ただ使徒殿に行動されてはかの都市が……」
「些か早くタリオスの祝福が届いた、そう言う結果になるならば好ましいではないか」
「しかしそれでは我が委員会の財政が!かの都市は無傷で掌握せねばタリオスの祝福を世界中に届けられませぬ!」
「ではどうするね?」
試す様な男に必死に言葉を重ねる委員会の一員。
「既に手は打っております!輝石の確保に向けて幾らか捕縛しております。加え、都市内に派遣した工作員の報告によれば預言者周囲の有力者は既に懐柔済みと」
「…………ふむ」
男はそうとだけ応え、やや表情を緩める。
「良かろう、貴君の努力は確かな様だ。ではそれに報いよう、必要な手立ては?」
「では先ほどの襲撃に関し、お願いします」
「分かった。そちらは引き受けよう。しかし件のヒエラコスフィンクスまでは保証し兼ねる」
「流石にあそこまでは追って来れますまい。もし仮に現れた場合はどうか退却を。生かしたまま捕らえたいので」
「そちらも分かった。しかしそう待たせるな、果実の脚は早い」
「はっ、アレッサドリ卿、貴方にタリオスの祝福有れ」
アレッサドリと呼ばれた男はそのまま身を翻し、足元にいきなり鎧をまとい、気付けば居なくなっていた。
それを確認すると委員会の男は安堵の息を漏らす。
(既にタリオスの使徒の内『拳』『胴』『瞳』『脚』『口』が動いているのか。では残る『耳』『腕』は一体……)
自身の身さえ怪しくなってきたと冷や汗を拭い、男もまた音も無く消えた。
ステータス更新
NAME・アレッサドリ
レベル・96
クラス・タリオスの瞳
筋力・B(EX〜H)
耐久・EX
敏捷・EX
魔力・A
対魔力・A
属性・光
保有スキル
スキル鑑定・EX
鷹眼・EX
戦術眼・A
技巧・A
内外政・A
交渉術・A
属性魔導・A
統率力・A
固有スキル
タリオスの祝福・A
魔導鎧装・EX




