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ガーディアン  作者: フライング豚肉
第二章・ジプシーの意味は放浪者
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ジプシークイーン

食を取るのはまとめて、ではない。

割と精霊殿の面々は気儘な時間に過ごし、尚且つ自分の責務を全うする人間達が集まっている。

例えば魔法使いのエレティーナは祈祷が終わるまでは清らかな状態でいなければならない為にどうしても遅くなる。

またエーリカも朝早くからの設備点検の為に遅れ、グレタは朝の鍛錬が終わるまで食事を摂らない。


(ま、今日はただ単に疲労困憊に寝ておるだけだろうがの)


手早く食事を済ませた後、割と気儘で暇な神官達の各々朝食に舌鼓を打つ様を見ていた。


「んむぅ、黒檀の拳士様のお料理美味しいですぅ」


リリアはそのカロリーを体の一部に向けており、


「エーラ!エーラ!エリルが片手で逆立ちし出したよ!」

「もうっ!お行儀が悪いよアノーラ!」


双子妖精はパフォーマーなエリルを見ながら楽しく食事中。

確かに行儀が悪いが、これは子どもの特権だ。


(幼い内より楽しく食事を摂れば健やかに育つ物よ。ほっほ、それにしても孫が出来たみたいよな)


優しくアノーラとエーラを撫でるとアノーラは嬉しそうに目を細め、エーラは照れて困った様な表情を作りながらも嫌がらない。

お互い気兼ねなく接するが、中々一緒の時間が取れない彼女達だからこそ、こういった触れ合いが寂しさを払拭する。

ゲンゾーはそう考えていた。


(うむん?)


そんなすれ違いのせいか、そこで初めて気付く。

そんな双子妖精の更に向こう側、茶色いセミロングに閉じた瞳、額に晒すは魔力で描かれた瞳の紋様。

所謂ジプシー族の娘だ。

年はゲンゾーと同じかそれより二、三下か、しかしそこにゲンゾーは訝しむ。


(はて、ジプシー族は生まれつきの盲。若い内はかどかわしを避ける為に部族内にて育つと聞いておったが…)


ジプシー族は生来皆盲目であり、しかしその潜在能力は凄まじく、おまけに見目麗しい事から誘拐の対象になっていた時代も有ったらしい、その常識を思い出し、ゲンゾーはふむと唸る。

街で見たジプシー族も全て老人だった。

しかしこうした老人達が尽力したおかげか、一個にジプシーの街と呼ばれる商業都市も今は有る程だ。


(しかしそういった都市にでなく、敢えて此処に居るとは、この娘も曰く付きか、はて)


びくり、とジプシー族の少女が肩を震わせる。

ゲンゾーは今にも消えそうな気配の少女にふむと唸る。


(何ぞ笑うてくれれば良いのだがな。花の年頃の娘が笑わぬとは、儂がおる不安からかね)


と、今度は慌てた様子でゲンゾーに気配を向けつつまた逸らす。


(うむん?落ち着きが無いの。儚げな娘と思うたが、果たしてそこは引っ込み思案なだけかね、ほっほ。愛い愛い)


やがて顔を紅潮させ、慌てた様子で皿を片付けようとするが、


(うむ、いかんな)

「!」


すっと音も気配も無く少女の傍に寄り、皿を片してやるゲンゾー。

少女は呆気に取られているが、ゲンゾーはテキパキと皿を片付ける。


「済まぬ、気を悪くせなんだでおくれ。其方には、という儂の御節介よ。怪我をしては大変なのでな」


そう告げ、焦点の合わない瞳を見返すゲンゾー。


「紹介が遅れたの、儂はゲンゾー、暫し前より精霊殿を守る衛士よ。良ければ名を教えてくれぬか?」

「………」


少女はそのまま焦点の合わない瞳を下げ、ゲンゾーの胸元に触れる。


(む?)


何かと聞く間も無く、瞳を閉じて何かを見る少女は、やがて目を開く。


「………ううん、この人は……まだ知らないから……」

「?」


首を傾げるゲンゾーを余所に少女は応える。


「セレと申します、黒檀様」


そう静かに告げるとセレは立ち上がり、双子妖精も気付いて立ち上がる。


「あっ、一緒に行くよセレ!待ってー!」

「あっ、まだ食べ切ってないのにー!でも…ううん、待ってセレさん!」


流石に盲た少女一人送る訳には行かないと付き添う双子を見送り、皿を片付けながらゲンゾーはふむと唸る。


(曰く付き、というより人を避ける事情有りき、と言った所かの)


ステータス更新


NAME・セレ

レベル・68

クラス・ジプシークイーン

筋力・H(EX〜H)

耐久・H

敏捷・H

魔力・EX

対魔力・EX

属性・闇

保有スキル

読心術・EX

予言・A

スキル鑑定・A

降霊術・A

退魔魔導・A

異界交信・A

固有スキル

ジプシー族・EX

精霊の加護・A

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