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ガーディアン  作者: フライング豚肉
第二章・ジプシーの意味は放浪者
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主人公の特権

ふんふんと上機嫌な足取りで歩くゲンゾー。

グレタに完勝した事ではなくグレタが非常に優秀な戦士に育つ可能性を秘めている事が嬉しいからだ。


(あの娘は虚と実を見抜く術を見極めればかなり化けるの。エリルは基礎的な体作りは完了して来ておるし、そろそろ御誂え向きの武具を見極めねば……ほっほ、矢張り若者は育て甲斐が在るの)


斯く言う自分もまだ肉体は18のまだまだ若僧なのだがゲンゾーは気にしない。

それほどに二人の行く末が楽しみとなっていた。

と、はたと気付く。


(いや、自惚れるな儂。儂もまだまだ修行の途上。日に日に成長を実感出来る喜びか、浮かれておったか。喝)


戒めと表情を締め、きりりと眼差しを鋭く尖らす。


(うむ、慢心より修行を怠っては本末転倒。師匠面するには儂はまだまだ未熟未熟。慢心は己が足を掬うのだ)


自省の念と共に清めの沐浴を行う間の戸を開いた。


「………む?」

「………へ?」


そう、慢心は足を掬う。

割と近々に。

観音扉を開け、沐浴用の泉の真ん中に見えたのはエレティーナだった。

朝の祈祷の為に身を清めていたエレティーナは、当然全裸。

年相応の、しかし確かな女性らしさの在る体躯を固めてぱちくりとゲンゾーを見遣り、ゲンゾーは極めて冷静に無表情に、


(やってもたぁぁぁぁぁぁぁ!)


内心大混乱であった。


(いいいかん落ち落ちおちち付けわ儂!)


ぱちくりとしていたエレティーナの瞳からはやがてハイライトが消え、


(い今こそ100歳越えの年季をフル活用してこの危難を脱する策を練るのだ!儂頑張れ!儂の脳みそ頑張れ!)


少し青ざめてから、


(「玉のような肌ですな」…違う!「意外と着痩せするのだな」…違う!儂どこを見とる儂!)


真っ赤に顔が変わり、


(儂よ、下手すればこの娘はひ孫レベルの小娘ぞ!助平な気なぞ起こせばそれこそ儂は…いや、チコよりかは痩せておるな。いやっ!だからっ!儂っ!)


わなわなと震え、


(儂っ!なんぞ言え儂ぃぃぃぃぃ!)

「何見てんのこのスケベ拳士!」

「だぐはっ!」


手近にあったブラシを投げ付けられ、クリーンヒットしたゲンゾーはすってん転んだ。

顔を真っ赤にしたエレティーナはさっと布を纏って観音扉を蹴って閉める。


「めんたま潰れろバカ!」

「………」


返す言葉も無くゲンゾーは仰向けに伏したまま落ちてきたブラシをはしっと掴み、穏やかに髪を整える。


(矢張り慢心は足を掬う、のだな)

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