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ガーディアン  作者: フライング豚肉
第二章・ジプシーの意味は放浪者
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早起きは三文の得?

(む…)


目を覚ますと、そこは見知らぬ天井が有った。

明らかにスラムのボロ屋とは違う。

そして目を動かせばベッドからずり落ちている赤毛の獣人が。


(ああ、そうか)


そう、ここは精霊殿。

ゲンゾーとエリルはここの衛士として雇われ、チコは精霊殿の別所で寝泊まりを始めたのだ。


(三日経ったぐらいでは慣れぬな)


よっこらと立ち上がり、腹の具合から時間を測る。

午前4時半と言ったところだろうか。


(矢張り身体は若くとも儂は爺よな)


早起きは前世からの習慣であり、トレーニングのための儀式だ。

寝ているエリルを起こさず充てがわれた質素な部屋を出て中庭に出る。


(うむ、良い天気だな)


夏の手前なせいか、もう日が見えていた。

叢雲を眺め、爽やかな気分になったところで精霊殿内を走り出す。

この広すぎる精霊殿は外周を走り回るだけでもかなりの距離になる。

何せ聖龍を呼ぶことさえ過去に有ったらしく、そういった巨獣用に相当広く作られているのだった。


(トレーニングには事欠かぬな。うむん?)


と、ちょうどあと少しでノルマ分という所で人影が一つ、中庭にて瞑想をしている者が見えた。

白みがかった短髪のブロンドに長い耳、そして美麗な姿。


(確か、グレタとか言う剣士だったかの?)


赤枝が来るまでは唯一の警備役だったらしい彼女に気付き、ちょうど走り込みが終わった事も有ってか話しかけてみる。


「やぁ精が出ますな、グレタ殿」

「うるさい、気が散る、失せろ」

「………」

(対話は失敗かね)


どうやら彼女によく思われていないらしいと悟ったゲンゾーは敢えて突っかかる事は避け、取り敢えず距離を取って筋トレを始める。


(まずは腹筋100回次いで腕立て100回そのまま拳立ち1分間)


愚直に汗を流し、ひたすら己を研鑽する。

彼にとってトレーニングには意味が無ければならない。

筋肉を成長させるためのトレーニングであり、筋肉痛を感じるまでひたすら身体を痛め付ける。

しかしもうこのセットでは筋肉痛が起きない。


(また増やすかね)


ぼんやりと拳立ちしながら考え、1分間経ったからか立ち上がる。

そして次に行うは練気だ。

剛体に身体を締め、深い呼吸を行う。

この深い横隔膜の運動こそが内臓器官を鍛え、身体の内側にダメージを与える一撃を防げる。


「!」


深い呼吸音にグレタは反応し、いつの間にか凄まじい気あたりを放つゲンゾーに訝しみの目を向ける。


(これでレベル2だと…?悪い冗談だな…)


グレタにとってゲンゾーは自分の役目を排した、言わば邪魔者でもある。

当然警護が目的でこの精霊殿に居る訳では無い彼女だが、矢張り面白く無い。


(あのマジックサモナーを下した実力、今試してみるか)


と、訓練用の木剣を手にゲンゾーに歩み寄って行くのだった。

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