その意味、その祝福
遠目でマガフを下したエリルを見届け、ゲンゾーは僅かに眉根を上げる。
(ほう、アレを単騎で下すか。矢張りエリルには才覚があるな。しごきのメニューを増やすとしよう)
エリルに新たな修行をと内心喜ぶゲンゾーは、そのまま屋上へと飛び上がり、エレティーナに向かう。
「………」
危難こそ去ったがバツが悪いのか、エレティーナは俯いて目を逸らし、唇を噛む。
(……ちゃんと話そうって決めたのに、どうして私…)
謝罪の言葉は届くか、非難が返ってくるだろうか、不安が胸中に駆け巡るが、やがて意を決してエレティーナはゲンゾーの瞳を見返す。
「あっ、あのね!」
「引き受けよう」
「……えっ?」
そしてゲンゾーの言葉に固まる。
見ればゲンゾーは穏やかな瞳でエレティーナを見ていた。
「件の事よ。我等赤枝は其方と其方の望む者を守ろう。儂一人では難だが、何、友が居るしこちらから教示願う事も幾らか有る。次いで儂の妹の面倒も頼みたい。儂からの条件はこれが全てよ、如何に?」
「………」
彼は真っ直ぐな瞳でエレティーナに向き合い、敵からも決して逃げない。
非情な世界でも決して折れない剣。
守りの拳。
先の悲しき事実にも、受け止める寛容さと真実を目指すその強い在り方に、エレティーナは何かを決心したか瞳に力を込める。
「しゃがんで」
「うむ?」
「良いからしゃがみなさい!」
「あい分かった」
素直にしゃがむと、
「!」
ふ、と、ゲンゾーの額に口付けをするエレティーナ。
はてと首を傾げるゲンゾーに、耳まで真っ赤になったエレティーナは、エレティーナから話す。
「私を守って。皆を守って。バルミアを守って!」
あくまでもそれが使命だと告げ、しかしてその紅潮は使命のみにゲンゾーを置くとは語っていない。
ゲンゾーはくすりと笑い、しかし意を決した様に頭を垂れ、瞳を閉じる。
「あい分かった。このゲンゾーは其方を守ろう。皆を守ろう。このバルミアを守ろう」
ここに精霊殿を守護する存在、後に護国の徒と呼ばれる様になった男、『黒壇の拳士』としての運命が拓かれた。
ステータス更新
NAME・ゲンゾー
レベル・2
クラス・不明
筋力・C(EX〜H)
耐久・D
敏捷・B
魔力・H
対魔力・G
属性・無
保有スキル
陣地作成・F
拳法・G
見切り・B
固有スキル
異界の魂・A
不屈の精神・A
精霊の祝福・A




