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ガーディアン  作者: フライング豚肉
第一章・身体が資本なじいちゃん
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魔獣の輝石

ザグラスはゲンゾーの放つ圧倒的威圧感に気圧されながらも、一つの輝石を取り出す。

それはデビオスに渡された物だ。


「……これはこの国より逃げ切る為にとっておきたかったのだがな、小僧、私は貴様をただのレベル1とは思っていない」


それを高く掲げ、


「故に今使わせてもらう!」

「!?」


自らの心臓にねじ込むが如く胸に打ち付けた。

その輝石は一人でに身体の中に埋まり、ザグラスはガクガクと律動する。


「ぐっ…ぉあああぁぁぁぁぁがぁぁぁぁぁぁぁあぐ!」


やがて獣の様な声を上げ、身体の至る所から線虫のような触手が出で、右腕が完全に巨大な線虫そのものと化した。

擡げた顔は既に右半分が昆虫じみた甲殻に覆われ、下顎が蜂の様に縦にバクリと裂けた。


『ハァァァァ…!これが昇魔か!存外に悪く無い!醜さを除けばなぁ!』


右腕の線虫を伸ばし、鋭い牙を踊らせるザグラス。

ゲンゾーは迫る線虫をひらりとかわし、エレティーナを抱えてかける。


「えっ!?あっ、何を…」

「文句も懺悔も後にせよ。あの場に居るは危険だ」


明らかに人間離れしたザグラスから間合いを取り、精霊殿屋上にエレティーナを置いて再びザグラスの前に立つ。


「随分と傾いた装いになったな。儂の趣味ではないが」

『ほざけ!これを見て尚大口が叩けるか!?』

「ぬ!?」


と、周囲に巻き上げられた砂塵が固まり礫と化す。


『穿て我が心!吹雪けよ彼の者の血よ!』

「!?」


ザグラスが叫んだ瞬間礫は剣状になり、ゲンゾーに肉薄する。

余りに小さく、されど鋭いその礫はかわしても幾らか掠め、ゲンゾーの血飛沫を散らす。


「猪口才な…!」


剣状の腹を肘で叩き落とそうとするが、


『阿呆がぁ!』

「!」


自在に形状を変えれるのか、形状が変わり肘を切り裂こうとする。


「ぬぅっ!」


辛うじてかわし、距離を取る。

傷の一つ一つは極めて微細だが、細かく動きに支障を与えている。


(参ったの。生半に近付けなんだか)


魔獣と化した結果属性魔導を宿したザグラスは不敵に笑いながら右腕を地につける。


『チョロチョロと!ネズミがぁ!』

「!?」


その右腕を起点に草花が一気に枯れて行き、その地はゲンゾー目掛けて迫る。


「触らぬ神に……とな!」


飛び跳ね、手頃な柱に捕まるゲンゾー。

そして、


『甘いわぁ!』

「!」


右腕の薙ぎ払いを胴に受け、ゲンゾーは地を転がった。

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