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ガーディアン  作者: フライング豚肉
第一章・身体が資本なじいちゃん
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決断と戦士

崩れた精霊殿の中庭に聳え立つは、無数の触手を生やした巨大な線虫だった。

身体中に不規則に生えた奇妙な眼球がギョロギョロ辺りを見渡しており、その頭頂部にはザグラスが腕を組んで立っていた。


「ひぃふぅみぃ………なるほど、七人か」


精霊殿の気配を読み終わるとグレタに庇われたエレティーナを見遣る。


「魔法使いめと共にその六人も頂こうか。良い手土産になる」

「させるものか!」


と、グレタは電気を纏いながら飛び上がり、巨大な線虫に一刀浴びせる。

が、


「なっ!?」


刃はその肉に埋まり、全く切れず柔い者にぶつかったごとく弾かれる。


「無駄だ。このマガフに物理攻撃は効かん。貴様の雷撃魔導もな」


そしてその隙にマガフの身体中の触手がグレタにかかり、締め上げる。


「ぐっ…かっ…!」

「大人しくしていろ、小娘」


当面の脅威が去ったと確認したザグラスはマガフより飛び降り、エレティーナの眼前に立つ。


「貴様もだ」

「!?」


そして不意を突こうとしたエーリカも、見向きもされずマガフに拘束される。

締め上げられたエーリカは口惜しそうにザグラスを睨み、エレティーナに叫ぶ。


「エレン、さっさと逃げな!精霊殿に居る今なら光魔法をつかやぁ簡単に逃げれる!」

「ほう、逃げるかね?結構」


と、その言葉にザグラスは指を鳴らし、途端グレタが苦痛に表情を歪める。


「ぐあっ…!かっ…!」

「グレタ!駄目!やめて!やめなさいよ!」

「命令するのは貴様ではない、私だ」


と、ザグラスはエレティーナの足元に何かを投げつける。

それは昼に見せたあの首輪だった。


「嵌めろ。そうすれば命だけは助けてやる」

「っ…!」


何の魔導具かは分からない。

だが嵌めればただでは済まない事はザグラスの剣呑な雰囲気から察せる。

エレティーナは苦悶の表情のグレタとエーリカを見遣り、首輪に再び目を落とす。


「やめなエレン!早く逃げろって言ってるだろ!」

「ぐあっ……くっ…さっさと殺してみろ、愚図がぁ…!」


怖い。

この首輪を嵌めることも、彼女らを失うことも。


(でも…どっちが怖いかって聞かれたらグレタとエーリカが居なくなる方!)


きゅっと手を握り、首輪を取ろうとした瞬間、


「間に合ったか、やれやれ」


昼間に聞いた、頼もしい声がした。

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