嘘の対価
夜の精霊殿、噴水の有る中庭のベンチに腰掛け、物憂げに頭を柱に預けるエレティーナがいた。
思案するはゲンゾーの事か、彼に頼れるか未だ分からず不安さが表情から滲み出ている。
「なにを黄昏てんのさ、嬢ちゃん」
「……エーリカ」
と、そんなエレティーナに話しかけるは浅黒い肌に長い耳と腰まで伸びる美しい銀色の髪、グランドエルフの娘エーリカだった。
エーリカはよっこらと男らしく隣に腰掛ける。
「昼頃からずっとそんな調子だね。皆が不安がってるよ。そろそろ吐き出して良いんじゃないかい?」
「………」
暫しの逡巡の後、エレティーナは話す。
「精霊様の御告げの人……来たかも知れないの……」
「ほう、例の黒壇の拳士様かい?」
ならば何故そこまで落ち込むのか、そうエーリカは考えながら次の言葉を待つ。
「けど……言わなきゃいけない事言えなくて………精霊様のせいにして嘘言っちゃって………」
「なるほど、それで落ち込んでんのかい」
エーリカはからから笑い、応える。
「ま、断られたらあたしもグレタも全く無駄な事してた事になるし、受け入れてもらった所であんたは顔を合わせ辛い、そんな所かい?」
「………」
バツが悪そうにエレティーナはそっぽを向き、エーリカはその不安げな頭を撫でてやる。
「確かにこのバルミアがやった仕打ちを聞いたら、その黒壇サマはブチキレるかもだけどね、嘘まで言ったって事はあんたもそいつの事満更でもなく思ってんだろう?だったらその嘘を突き通してでも一緒に居る努力をしな」
「でも…!」
「そういう、『誰かと一緒に居たいからつく嘘』っていうのはね、案外悪くないもんさ」
ま、他人事な評価だけどね、とエーリカはからから笑う。
その言葉にエレティーナは少し笑み、やがて決心した様に鈴の髪飾りを撫でる。
(でもやっぱり嘘はつきたくない。お母さま、私明日彼に話すね)
例え彼がどの様な選択を取ろうと、真実を話そうと決心する。
その時だった。
「止まりな、エレン!」
不意にエーリカが叫び、髪飾りがわずかに揺れる。
何事かとエーリカを見れば、
「!」
巨大な眼球を持った線虫が鈴の髪飾りから引き抜かれ、エーリカが握っていたのだった。
エーリカはその線虫を見やって舌打ちをし、地面に投げ捨てて踏み潰す。
「スパイワーム…敵さんもうここに召喚の起点を置いたみたいだね!グレタ!」
叫ぶと建物の中から凛とした女のエルフが飛び降り、腰に下げた細剣を抜いて構え、周囲に気を遣っていた。
「分かっている!エーリカ、貴様は中の皆を頼む!エレティーナ様は私が!」
「あいよ!エレン、結界を最大限貼りな!あたしは皆を逃したら衛兵隊を呼んで来るよ!」
「う、うん!」
と、エレティーナが魔法を行使しようとした瞬間、
「ハ、もう少し早くそれを行なっておれば、或いは」
「!?」
地面が盛り上がり、吹き飛ばされた。
ステータス更新
NAME・エーリカ
レベル・36
クラス・魔導技師
筋力・E(EX〜H)
耐久・E
敏捷・F
魔力・D
対魔力・D
属性・地
保有スキル
陣地作成・A
道具作成・A
召喚魔導・D
符呪魔導・B
技巧・A
固有スキル
探究心・A
グランドエルフ・A
NAME・グレタ
レベル・36
クラス・魔導剣士
筋力・E(EX〜H)
耐久・E
敏捷・C
魔力・C
対魔力・B
属性・雷
保有スキル
剣術・B
聴覚強化・D
異種対話・C
属性魔導・B
固有スキル
信仰・A
エルフ・A
精霊の加護・A




