彼の者、再び
その衛兵隊詰所は静寂に包まれていた。
頭が胴体に埋った者や、首が180度回ってうつ伏せに、されど天を虚ろに臨む者、全て死体と化している。
そこを無人の野と歩む人影が一つ、銀の髪に軽装の鎧、白目に当る部分が漆黒の剣呑な男。
牢の前で立ち止まると、牢の中にいたザグラスが怪訝な表情を向ける。
「誰かと思えば、其方か、デビオス殿」
デビオス、かつてゲンゾーから全てを奪った男は、かつてカエデの放った捨て身を感じさせず、しかして双角だったその角は右側が失せており、右の額に傷跡を見せていた。
何も言わずデビオスは牢を開けて入り、小さく手を動かしたかと思えばザグラスの拘束具が砕け散った。
「末恐ろしいな、相変わらず…これを砕くは骨だろうに」
戦慄と共に寄越したその驚嘆の言葉も介さずデビオスは踵を返し、慌ててザグラスはその背に言う。
「ま、待ってくれデビオス殿!私は確かに仕損じたが、まだ機会が失われた訳ではない!私は最早ヴィラレスク委員会にはいられようが無いが、この忠誠心のみはどうか信じてくれ!」
ゆっくりとデビオスは振り返り、ザグラスを見据える。
「幸いスパイワームはまだ機能している。あの小僧めをレベル1と侮り、敗れたは確かに私の失態だが、まだあの魔法使いを攫うのは可能だ。どうかその暁には」
ザグラスの必死な弁明にデビオスは暫し考え、何かを投げて寄越す。
それは掌程も有る輝石であり、禍々しい紫の光を放っていた。
「おお!かたじけない!デビオス殿、どうか吉報を待っていてくれ!我等が神王、タリオスの祝福を!」
それを理解しているのか、ザグラスは歓喜し、デビオスは何も言わずその場を後にした。
ステータス更新
NAME・デビオス
レベル・94
クラス・タリオスの拳
筋力・A(EX〜H)
耐久・A
敏捷・A
魔力・B
対魔力・A
属性・力
保有スキル
魔闘技・EX
明鏡止水・A
戦闘続行・A
歩法・A
五感強化・A
暗殺術・A
隠行・EX
固有スキル
タリオスの祝福・A
妄信・A




