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3人と1柱の異世界旅  作者: pigro
2/6

迷子?の女の子


対戦格闘ゲーム【エレメントヒーローVS】自然界にある、火や水といったものを擬人化し、それぞれの属性の特徴を活かした戦いができるゲームである。


格闘ゲームに珍しく、属性による相性があり、相手の選ぶキャラが直前まで分からず、ジャンケンのような駆け引きの要素も含んでいる。


そのゲーム筐体の上で、まったく反応の違う2人の姿があった。


「なんで弱点属性相手に勝てねーんだよ…」


陸は筐体に突っ伏した 姿勢をとる

それもそのはず、花の使ったキャラ フレイ(火)に対して、陸の使ったキャラは ウォーティー(水)で 花からの攻撃は25%減、陸からの攻撃は25%増とかなり有利な条件だったのだが、その結果はみごとに惨敗である。


「いやー…さすが花、容赦無いなー」


2人の試合を後ろで見ていた拓夢が率直な感想を口にする。


「もちろん♪クレープが無くなると嫌だからね♪」


Vサインを作り拓夢にアピールする花。

勝つと1クレジットでも続けて遊べるので、しばらく勝ち続け ゲームを続けるだろう。


負けた陸のほうは、アップデート初日で待ってる人がいるので交代しないといけない、それに気付いた拓夢が、突っ伏している陸を筐体から引き剥がしていた。


「友人がすいません、お次どうぞ」


陸の使っていた筐体を指し並んでいた人に会釈する。

花に集合時間を伝えて2人は格ゲーのコーナーをあとにした。



「拓…なんで俺、 勝てねーと思う?」


「陸がダメなんじゃなくて、花が強すぎるのが原因だからどうしようもないよ」


2人は、2Prayのハンドガンタイプのシューティングゲームをしながら雑談している。


雑談しながらも着実にステージを進めて行く、しかもかなりの高得点だ。


「それより聞いたよ陸…また他校の人達と喧嘩したみたいだね、ほどほどにって言ってたのに」


「あっちから売ってきた喧嘩を俺が買っただけだ、自分からは売ってねーよ」


「まー怪我するのは向こうだろうけど、気を付けないと停学なんかもあり得るよ」


「おう、気を付けるわ」


そんな話しをしているうちに、画面にゲームクリアの文字が表示されていた。


「さーそろそろ花に伝えてた集合時間だから行こうか」


「そーだな」


2人は出口に向かって歩いて行った 。



出口に向かって歩いている途中2人は、入り口の隅の方で、何かを探すように辺りをキョロキョロと見回す女の子に目が止まる。


背が低く見た感じ5歳らいに見える、目を止めた理由のひとつは、その服装である…白を貴重した巫女服に近い着物を着ているのだ。


「七五三の帰りかな?」


「さーな、でも見た感じ、親ぽい人見えねーし…迷子か?」


2人は少し離れた所から、その女の子の様子を見ているが、どうやら陸と拓夢意外は、気が付いていないようだった。


「しょうがねーか…」


「そうだね」


2人はそう呟くと、その女の子の方に歩いて行った 。

女の子の前まで行った陸はしゃがみこみ


「オイ!お前、迷子か?」


と声をかける… が

すぐさま拓夢が陸の頭に軽いチョップを入れる。


それもそのはず、外から見るとヤンキーが女の子にガン飛ばしてるようにしか見えない、現に女の子も驚きのせいか固まっている…


「こわいお兄ちゃんがごめんね、こんにちは、僕の名前は拓夢、よかったらお名前教えてくれる?」


陸を女の子から遠ざけながら、笑顔で挨拶をする 。


「うちの名前は たまより ひめ なのじゃ」


まだ少し驚いた表情をしていたが、しっかりと答えを返す女の子。


「じゃー、ひめちゃんでいいかな?、お父さんかお母さんは一緒じゃ無いのかな?」


「親は、いないのじゃ」


「それじゃー、ひめちゃんの住んでるところはここの近くかな?」


「違うのじゃ、凄く遠いところなのじゃ」


うーん…どうやら迷子決定かな…どうしたもんかとかと考える拓夢。


「ごめ~ん、お待たせ♪…あれ? タックン、その子どうしたの?」


何回勝ったかはわからないがとてもスッキリした表情で花が合流する。


「どうやら迷子らしい…」


「そっか~どうするの?」


「ゲームセンター出てすぐに駅があるから、そこの迷子センターまで連れていこうかと思ってる」


「そう分かった♪」


花は、女の子前でしゃがみこみ挨拶をする


「こんにちはー、私の名前は花っていうの、よろしくね♪」


「うむ、たまより ひめ なのじゃ」


陸と同じしゃがんで目線を合わす構図なのに先ほどと全然違う雰囲気が流れている。


女の子を怖がらせないようにするためか?陸が少し小声で

「ここにいてもしょうがねーから、とっとと駅のほう行くか…」


ゆっくりと歩きだす陸


「ひめちゃん、ここじゃ見つからないかもしれないから、一緒に来てくれるかい?」


「分かったのじゃ」


3人とひとりはすぐ近くの駅に向かって歩いて行った。


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