入学試験(実技)
皆さんこんばんは、弟姫です。実技試験編です!まぁ、試験なので過度な戦闘シーンはありませんwお許しください!
ではどうぞ〜
第2話 入学試験(実技)
試験会場の廊下を翼と花梨が同じ場所を目指して歩っている。
「いや〜まさか翼も80分で終わるとわね。筆記なら翼よりも早く終わる自信あったんだけどなぁ」
「今年の問題は見た感じ難しく見えるけど問題が聞いてることをちゃんと把握すれば大して難しくない問題だったからな。俺の得意なやつだ」
と、翼は自信げに言う。その答えにムッとした花梨はそっぽを向く。
「ふんっ、いいもん。実技では負けないから」
「いや、実技なら余計お前に勝ち目ないだろ・・・」
実技試験は教官との5分間の模擬戦だ。5分以内に戦闘不能状態にならない限り、いくらダウンしても続ける。その理由はこの試験が教官との力量差を測るための試験だからだ。なんどもダウンしようとも激しい攻防の末のダウンならば得点は高い。かえってダウンしなくても意識の低い戦闘ならば得点は低い。50個コートがあり1コート1人で50人ずつ行われる。受験生は控え室で準備をしている。イメージトレーニングをしている者、瞑想している者、ストレッチをしている者、皆思い思いの事をしているが控え室内の空気はピリピリしている。しかしその空気の中でも楽しく会話をしている者が2人いた。
「いーなー翼は。木刀使うんでしょ?」
「おう。木刀なら使用してもOKだからな。ま、楽に終わらせるよ」
「私も音使いたいけど魔法禁止だからなぁ」
「ま、お前なら体術で充分だろ」
「翼が有利ってとこが気に食わないのー」
「ひでぇなおい」
2人は試験開始まで談笑を続けた。
「・•・試験を始めてください」
試験が始まった。各コートで模擬戦が始まる。この実技試験は流星雨の生徒も見に来ている。
「去年のトップって誰だっけ?」
「確に析羽だったはず。589点で」
「その前の年は如月先輩だろ?593点って聞いたぜ?」
「どっちもバケモンだよなぁ・・・。今年はその2人を越えるやつが来るのかね」
「さぁな」
会場の2階で生徒達が未来の後輩の試験を見ながら話していると、1人の男子生徒が血相を変えて走ってきた。
「お、おい!23番コート、凄いことになってるぞ!」
「?どうしたんだよ」
「とりあえず見に行くか」
男子生徒達が行くとそこには既にたくさんの生徒が集まっていて皆23番コートを覗いていた。
「そんなに凄いことになってんの?」
男子生徒達もコートを覗く。そしてそこにあった光景を見て言葉を失った。
3分前
「お願いします!」
翼は挨拶をして23番コートに入った。教官から少し離れたところに立ち、木刀を構え開始のアナウンスを待つ。
「開始してください」
アナウンスとともに翼は飛び出す。一瞬で教官の首元に木刀を突きつける。そして静止。翼はそのままじっとしている。そして今に至る。
「なんで教官動かないんだ?」
「受験生の方も動かないぜ?何してんだろうな?」
皆口々に疑問を発する。しかしその疑問はすぐに消える。1人の男の言葉によって。
「教官は動かないんじゃない、動けないんだよ」
その場にいた全員がその声の主を見る。
「・・・析羽」
1人が呟く。声の主は析羽直生。流星雨学園1ー3所属。去年のトップ入学者だ。
「析羽君、動けないってどういう事?」
女子生徒が問を投げかける。直生はその問に笑って答える。
「言葉通りさ。あの受験生、ただ木刀を突きつけているだけじゃないんだ。そう見えて一切隙がない。あの状態で教官が動いても即気絶させられるだけだ。教官にはそれがわかる。だから動けないのさ」
その説明を聞き一同は驚いた。
ーーそんな中学生がいるのか、と。
「彼の名前は・・・暁翼、か。入学してくるのが楽しみだ」
そう言って直生はその場を後にした。その瞬間、試験終了のアナウンスが流れ
「ありがとうございました!」
翼は挨拶をしてコートから出ていく。出たところに花梨が待っていた。
「さすが、としか言えないね。あれ多分満点でしょ?」
と、花梨が笑みを浮かべながら聞いてくる。それに対し、翼は自信を持って答える。
「だろうな」
その後、花梨の試験も無事終わり2人は控え室に戻ってきていた。
「後は発表だけだね〜」
「試験終わってすぐ発表ってのがいいよな」
「そ〜だね〜」
「これより合格者の発表を行います。受験生の皆さん、筆記試験会場にお集まりください」
今日なんども聞いた声を聞き、受験生が移動を開始する。
「さてと、行きますか」
「行きますか〜」
花梨はあくびを噛み殺しながらそう答えた。
この後合格発表です!設定を試験が終わったら投稿すると言っていたのですが、第1章が終わったらにします。変更して申し訳ございません。では3話でお会いしましょう!今回もお付き合いいただきありがとうございました!