入学試験(筆記)
初めての投稿で、しかもオリジナルなので至らない点が多々あるかと思いますが、読者の方に楽しんでいただけたら幸いです。
第1章 始まりの音
第1話 入学試験(筆記)
「・・・初めてください」
試験監督の声が会場に響く。受験者が鉛筆を手に取り問題用紙に名前を書き始める。ここは東京都心にあるとある学園の試験会場。今日ここでは2000人の受験者が集まって一斉に入学試験を受ける。受ける学園の名は国立流星雨学園。現在日本、いや、世界トップの高校だ。流星雨学園は現在世界に日本校、アメリカ校、イギリス校の3校存在する。この学園の受験者は毎年2000人をオーバーする。だが、合格できるのは筆記と実技の合計点上位100人のみ。倍率は20倍。なぜこんな倍率なのに受験者が減らないのか。それはこの学園に入るまでの人生がどんなに惨めだろうと、入ってしまえばその先の人生が素晴らしいものへと変わるからだ。「流星雨学園卒業」その肩書きはこの世界で凄まじい権力を持つ。学園を卒業した生徒の100%が大学に通わず学園卒業時点で即就職。それも自分のやりたい職業につく人が、だ。学園で過ごす3年間は自分のやりたい勉強をその道のプロフェッショナルから好きなだけ受けることが出来る。様々な資格も在学中に取得することが可能だ。そして就職先でも流星雨学園の卒業生は高待遇で扱われる。元々能力の高い者しか入学できない学園の卒業生なのだから働きも普通の人の何倍もの成果を上げるので当然と言えば当然だ。つまりは流星雨学園に入学できた時点で人生勝ち組というわけだ。それがこの学園の受験者が減らない理由である。
流星雨学園の入学試験は筆記と実技の2つ。筆記は5教科を150分ぶっ通しで行う。1教科100点満点の試験なので最高点が500点となっている。続いて実技。実技は100点満点。1人5分の模擬戦だ。相手は試験用の教官。教官との力量差で点数が決まる。武器、魔法の使用は禁止だ。学校や試験の説明はこの程度だろう。現在筆記試験開始から40分。筆記試験は150分以内に終わった者は150分経たずとも問題用紙を提出し実技の準備に移って良い。まぁ、時間以内に解き終わる天才など1人いるかいないかだが。現在試験開始から80分。ほとんどの生徒がまだ半分解き終わったか終わってないかといったところだろう。しかし、そのほとんどに当てはまらない者、先程説明したような天才が必ず1人はいるものだ。椅子を引く音。こちらへ歩って来る音。自分の目の前で止まる音。その音を聞き試験監督は名簿に顔を落とす。そして問題用紙を受け取るために声をかける。
「試験番号と名前を」
試験監督は今自分の目の前にいるであろう受験生にマニュアル通りに聞く。しかし帰ってきた答えに試験監督は内心戸惑った。
「試験番号0112、暁翼」
「試験番号1463、野上花梨」
・・・2人?試験監督は顔を上げる。そこには確に2人の受験生が立っていた。その顔に、満面の笑みを浮かべながら。
設定などは後日投稿する予定です。とりあえずは試験が終わったあたりでだそうかな〜と思っています。今回はこのような駄作にお付き合いくださりありがとうございました!では、2話でまたお会いしましょう。