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夜空の下で帰り日々  作者: 玄米最中
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体育館にいる彼は

放課後。言われた通り先輩と体育館作業をしてる。あー灯台が重いよ。バトンも埃っぽくて喉がイガイガするし。やっぱり保健室でマスクもらってくればよかった。このままだと喉が埃だらけになってしまう。そうすると風邪を引いちゃう。


「のろ、平気?」

「これぐらい大丈夫です」


あーあ、古橋先輩は音響なのに。早く1人でなんでも出来るようになりたいな。来年、どんな後輩が入ってくるか分からないし。私みたいにのろまな子じゃないといいんだけど。


「あれ?ゆうた?」

「あー立花。部活?」

「おう。ゆうたは?」

「私は体育館の照明のお掃除。頑張ってね」

「ゆうたもな!」


立花がいるってことは谷山もいるのか。そうだよね、ここ体育館なんだし。部活してる2人を見るのは初めてかもしれない。中学の時は時々見てたけど。


「あ、のろ。忘れ物したから少し休んでて」

「何忘れたんですか?私、取り行きますよ」

「雑巾とビニテ。あと俺のパーカー」

「じゃあ行ってきます」


短パンにタイツという不思議な格好で校内を歩く。上履きの踵を踏み潰してるから走りにくい。黒パーカーに緑の体育着って変な格好。ま、全身真っ黒よりはマシかも。この間、その格好でいたら担任にからかわれちゃった。


「ただいまです!」

「あ、のろ。どうしたの?」


部室にいたのは部長の松林凛子先輩のみ。おかしいな…とっくに始まる時間なのに。先輩と同期を含めた6人が来てない。


「他の奴は?」

「あー、桜子が補講で花純が委員会。あと、悠くんがバイトで…」

「意外と人が集まらない日ですね」

「私もそっち手伝えばよかった」


青山花純先輩は残念な美人と呼ばれている。綺麗なのに様々な部分が残念なのである。原口悠一は私達の同期、唯一の男子。中性的な子だが、優しくて紳士的な子。レディファーストが軽々できるからモテちゃうんだよね。


「七海はまだ連絡なしだね。あとありさも」


「ありさ先輩、さっき彼氏といましたよ」

「来たら説教しないとだ」


新村七海は同期の子。小さめで可愛いから少女の役が多い。小さいけどすごくしっかりしてて私達の代はこの子が部長じゃないかって話になってる。山口ありさ先輩は彼氏持ちでここ最近は、彼氏とイチャイチャしてから部活に来ることが多い。凛子先輩が怒るのも無理はない。


「あ、雑巾とビニテとパーカー」

「古林にパシられたの?あんな奴、もっと走らせとけ」

「違いますよー。私が取りに行くって言ったんです」


凛子先輩はいつも古橋先輩にはこんな態度。同じクラスだからだね。というか、女子の後輩には優しい。同期と男子には手厳しいんだよね。


「じゃあ、いってきます」

「うん!頑張っておいで」


ミュージカル部の部室から体育館までは5分くらいかかる。たらたら歩くと古橋先輩が心配しちゃうから、早めに歩こう。でも、ホットのミルクティー飲みたいな。それを自慢したいから買っていこうっと。


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