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夜空の下で帰り日々  作者: 玄米最中
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3倍に返す彼女に

結局、あの日に告白することはできなかった。あの日からもう一ヶ月以上が経とうとしている。


一ヶ月以上の間にいろんなことが変わっていった。


笹原と中川が仲良くなった。時々、3人で帰ることもある。立花に新しい彼女ができた。模試の結果が散々で塾に行かされそうになった。笹原の携帯がiPhoneに変わった。


バレンタインがあり、笹原からチョコをもらった。すごく嬉しかったがそれは義理チョコなのが悲しかった。でも、本命は誰にも渡してないことを知って少しだけ嬉しかった。


中川がまた告白しようか悩んでいる。今ならいけるんじゃないかと思ってるらしいが、慎重にならなきゃいけないと思っているという。


相変わらず肉まんやらあんまんやらをたかられる。ただ最近はお菓子をたかられることもある。少しだけ暖かくなったからなのかも。


もう2年生になってしまう。


笹原は少し焦っていた。部活での立ち位置や今後のこと。


そんな笹原を支えたいと思った。


俺も少し焦っていた。来年のクラスのことや部活のこと。


こんな俺が支えられるか心配だった。


でも笹原のことはどんどん好きになっていった。ちょっとした仕草や表情、行動。


中川にやっと言えた。俺も好きだということを。


「だと思った。そんなら俺は勝ち目ないかもな」


そんなことを言ってた。俺よりもイケメンだし優しいし、勇気もある。勝ち目がないのはこっちの方だ。ライバル宣言をしてもなお告白しようか俺に相談してくるのだから。


先輩方が卒業する日、ホワイトデー。その日に俺は笹原にお礼をしなければならない。バレンタインの時に手紙が入っていたからだ。


「3倍ぐらいに返してね」


こういうところはちゃっかりしていると思う。手作りのチョコレートケーキが俺には嬉しすぎて、なにを返せばいいか女々しく考えている。


中川ももらったらしいがチョコレートケーキではなかったらしい。マーブルチョコだったと言ってた。人によって違うのかもしれない。


あいつにとってチョコレートケーキとマーブルチョコはどっちの方が大切なのか。


「え?いや…特に意味は」


って答えられた。目を少し背けたところを見るとなにかしら意味があるらしい。


ホワイトデーに告白するのは男子としてどうなんだろうと考えるが、そうでもしないと告白できない俺はそんなことに頼らないとできない。


そう、今日がホワイトデー。


3月14日なのだ。


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