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夜空の下で帰り日々  作者: 玄米最中
21/28

あの子と仲がいい彼は

「大事な話がある

だから帰り、教室でまってて」


見覚えがあるような、ないような。でも、悪口とかじゃなくてよかったかも。手紙で悪口言われたら心が折れちゃうもん。明日から学校来れなくなる。


「早く行かなきゃ」


その手紙を鞄にしまい、急いで階段を上っていく。4階まで上るのは慣れてはきたけどなんせ冬だから寒い。もともとボロい学校だから空調とか設備いいわけじゃない。もう一枚セーターが欲しい。


「あ、ゆうた」

「桜子」

「あーよかった。部長がおせーぞ!って怒ってたよ〜」

「連絡入れてなかったや。急いでいく」

「ううん。大丈夫だよ。私が探してくるって言ったらついでに台本コピーしてこいって」

「でも荷物置いてこないと」

「そっか、じゃあ待ってるー」


急いで部室に行くと案の定、部長に怒られたが、


「早く桜子とコピーしてきて!桜子、機械音痴なんだから!」


と言われたのでまたまた急いで桜子と合流した。私は桜子のお世話係ではないんだけどなー。


「大変だねーゆうた」

「遅れたのは私が悪いんだし」

「何かあったの?」

「うん、まあ」

「聞いたらダメなやつ?」

「いや別に…」


桜子は私にとって一番なんでも話せる存在だ。桜子もそうしてくれてるのを分かっている。


今回は一番に話さなかったな。いつも最初に相談するのに。昨日も部活でバタバタだったし、2人で帰ってないからかな。わざわざラインするのも気が引けちゃうし。


「実は、あんまりよく知らない人から告白されて。それを断ってたら」

「時間かかったってことかー」

「そう」

「誰?」

「中川創平君って子」

「あー下りの子じゃん!谷山君と仲がいい子」

「谷山と?」

「そうそう。よく谷山くんと一緒にいるよー。てか、私のクラスの子じゃん!」


谷山と仲がよくて下りの子…。確か、前に言ってた気がする。クラスでよく一緒にいて、石川から転校?してきて…。


「そっか、谷山と桜子は同じクラスだったね」

「え、忘れられてたのか…」

「どんな子?」

「うーん、優しい子だね。成績もそこそこいいし。あんまり目立ってる子ではないかな?でも体育祭とかで盛り上げちゃう子」

「どゆこと?」

「運動神経いいからみんながキャーキャーしてる」

「へー」


聞けば聞くほどなんで私を好きになったのか疑問になってきた。だって接点ないし、私はそんなに目立つわけでもない。一体どこで出会ったんだろう。


「そういえば。最近、他校の男子生徒にいじめられてた女子生徒を助けたって」

「……あ!」

「な、ななに!びっくりするじゃーん」

「わ、私!大切なこと思い出した!」

「何思い出したの!?」


なんで気づかなかったんだろう。あの子にすごく、すっごく失礼なことをしてしまってた。


「あの子、私を助けてくれたんだ!」


元サッカー部に囲まれたあの日、私を助けてくれたのは中川くんだったんだ。


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