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夜空の下で帰り日々  作者: 玄米最中
18/28

誰にも取られたくない彼女を

「告白されたんだ」


正直、思考停止した。こんなにもモテる奴だったっけと思い直してから焦り始めた。このままでは取られてしまう。やっと気づいた、あいつに告白されて1年以上たってからやっと。


「そうなんだ。高校入ってから2回目じゃん」

「でも、あんま知らない人で。同じクラスとかならわかるんだけど」

「へー」

「石川から来た子」

「え?」


石川から来た子。それって俺のクラスで仲がいい、中川創平だ。


次の日、なんとなく暗い顔で教室に入ると中川が声をかけてきた。


「おはよーう、谷山」

「あ、おう」

「あんさ、話があるんだけどちょっといいか?」


どうせ笹原のことだろう。


「ああ、いいぜ」

「ちょっと屋上行こうや」


中川は顔もそこそこイケメンで、性格もいい。どっかの先輩みたいに喰ってやらうとなんか考えてないと思う。忠実で紳士的、俺とは違う。石川の方言はもう抜けたらしくほぼ標準語ではなす。


「で、話って?」

「昨日、笹原さんから聞いてないか?」

「いや、聞いた」

「どう思った?」

「どうって、それはお前の自由じゃないんか?」

「お前と笹原さんは仲がいい。それを俺が邪魔していいか不安だった」


今更だ。だったら告白する前に言ってくれれば。でも、それは俺が弱虫で意気地なしだから結局、「いいんじゃない?」とか言っちゃうんだ。


「邪魔って」

「単刀直入に聞く。お前は笹原さんのことが好きなんじゃないのか」

「…」

「俺は今回振られても何回でもアタックする。好きでいる間は」


なんで「好き」って言えないんだ。言えばいいじゃないか。俺が一番近くで見てきたあの素敵な彼女を。


「お前はどうなんだ。」


取られたくない。


あんな悲しそうな目を見たくない。傷つけたくない。


「お前が笹原さんのことなんとも思ってないならそれでいいんだ」


そんなことない。なんともなんか思ってない。


「もし付き合えたら相談してもいいか?好みとか知らないし。」


そんなこと聞いても俺は本当のことはきっと教えられない。俺だけの秘密なんだ。


「もちろん、本人から聞き出そうとは思うけど」

「あのさ、お前はあいつのこといつ好きになったんだ?」


言えよ、目の前のライバルに向かって。


俺はあいつが好きってちゃんと言え。


中学の頃から忘れられない人って。


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