普段とのギャップがある彼女は
人は意識始めるとこんなにも接し方が変わってしまうのか。今までどんな風に笹原に接していたのかよくわからなくなっていた。多分、すごくぎごちないというか緊張しているというかなんというか。
「谷山、なんか変だよ」
「え、そんなことないよ。いつも通りだろ?」
笹原にバレてるとか…。もうどうしたらいいんだ?こういう時に相談に乗ってくれるのは立花ぐらいか。いや、でもどう相談しろと…。
「タオル、ありがとう」
「このあいだの?わざわざ洗ってくれたんだ」
「…もっと強ければ私も言い返せたのに」
「笹原のせいじゃない。俺も弱かったんだ」
「谷山はしょうがないよ。もともといじめてきた相手なんだから」
ニコリと笑う笹原。いじめてきた相手だからって女子に弱いところを見せるのは、男子としてどうかと思う。というか、この笑顔の裏はかなり傷ついているに違いない。
「…じゃあまた、明日」
「うん、バイバイ」
まあそんなであの日から一週間経ってこんな感じ。いかに恋愛に不慣れというのが出ている。やはり明日、立花に相談してこよう。幸い、部活は後半だし。
「で、相談というのは?」
「えっとですね…」
いや、やっぱいざとなると恥ずかしいし緊張するわ!
「どうせゆうただろ?ほーら当たった」
「俺まだなんも」
「なんも言わなくてもねー分かるんです。ほらなんだよ」
「いや、その」
「あ、恋心に気づいた!?」
「…」
声にならない叫び。あーもうダメだ。やっぱ相談なんかするんじゃなかった。
「お前とゆうたはお似合いだよ。たまにはゆうた、狙ってるやついたりするけど。みんなお前の名前を挙げて勝手に諦めてる」
「え?」
「ほら、お前とゆうたってよく一緒にいるしさゆうたもお前に甘えてるじゃん?」
「甘えてるのか?」
あれは甘えというよりただたかられてるという方が正しい。何かにつけては奢ってーって言ってくるし。
「いつもあんなにツンというか…寂しそうな顔してるやつがさ、お前の前だとあんなにニッコリ笑うんだぜ?」
「あいつ、そんなに無愛想か?」
「ほーらそういうとこ。お前の前しか見せないとこがあんだよ」
わかったか?と言わんばかりに立花はジロッと見てきた。そしてため息をつかれた。そんなこと俺に言われても…。ただ、笹原は前より笑うことが増えた。でも。
「…わかった」
「なにが」
「色々と。ありがとう、立花」
でも前より笑うけど、前より伏し目というか寂しく笑うことも増えた。どこか悲しい虚ろな目。
「…もう後半始まる時間だから行こうぜ」
「あ、あぁ」
「今日はちゃんと待ってゆうたと帰れよ」




