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夜空の下で帰り日々  作者: 玄米最中
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ぷろろーぐ

玄米最中です。


今回の作品は、他のところで乗っけてたやつを引っ張ってきました。


くっつきそうでくっつかない2人を見守ってください。

「付き合ってください」



この言葉はあらゆる気持ちを整理し、相手を好きと理解でき、勇気のある奴のみ言えるものだ。つまり、告白するものこそのセリフである。



あいつと俺は中学からの仲だった。中2の春。隣の席になったことがきっかけで話すようになった。クラスからは少し嫌われていたあいつは、人と話すのを拒んでいるように見えた。



あの頃は好意なんてなかった。無口で、髪を一つにまとめたあいつに恋愛感情は生まれなかった。そんなことより、部活でいじめられていた俺は余裕がなかった。



中3の春。あいつに告白された。本人は冗談で「嘘でーす」って言うつもりだったという。でも、俺は本気にしてしまった。結果、沈黙の時期が続いた。長い長い一年の始まりだった。



高1の春。あいつと同じ高校だと知る。メアドを持っていたが、中3の春の出来事が足かせになっていた。結局、メールは出来なかった。廊下であっても声をかけられなかった。あの頃からあいつは、何か変わってきていた。中学と似たような制服を着ているのに、雰囲気が変わっていた。



高1の夏。帰り道で初めてあいつに会った。夏服に身を包み、一つにまとめていたあの髪をバッサリと切り、あの無口な少女の面影はもうなかった。ローファーを軽やかに鳴らしながら歩くあいつは、輝いていた。中学の奴らに会っても気づかれないんだって、自慢げそうに話していた。



高1の秋。あいつが、部の先輩に告白されたと本人から聞いた。偶然、朝の電車が同じだった時に話してくれた。男子慣れしてないあいつは、断ったそうだ。よく分からないが、ホッとした自分がいた。あいつはもう、ブレザーを羽織っていた。俺もそろそろ学ランが必要になってきていた。



高1の冬。秋に聞いた話が気になっていた。外階段の近くにあるベンチで寒空の下、あいつが降りてくるのを待つようになっていた。もうマフラーが必要かもしれない。あいつはすでに、マフラーをして暖かそうだった。



一体、自分に何があってあいつを待っているのか。その時はまだ自分の気持ちを理解せず、いや、出来ずにいた。これは俺も、女子慣れをしていないからなのであろうか。



星空の下、谷山博人があいつこと笹原勇気との帰り道の話。

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