夢日記
掲載日:2026/09/01
とても優しい男の夢を見た。
運動神経はからっきしで、要領も良くない。自分は何もやってもダメダメだと思っている男が、謎の機関からすごいパワーを貰い、全知全能に近い能力を持つ夢。
彼は万能の力を得た。でも、臆病な彼は普段は力を使わず、訓練のときだけ使用した。
訓練最終日、機関の人間から「ご気分はどうですか?」と聞かれた。「全て思い通りになる力を手に入れた気分は」
「何も変わらないですね」と彼は応えた。「いまだに逆上がりも出来ないし。日常生活はてんでだめです」そう言って、少し恥ずかしそうに笑った。
訓練を終え、彼は機関から解放された。訓練の間、男はとある家族の居候だった。それが終わる。
男が寂しそうにしていると、「またね」と長女が言った。「研究は終わるけど、消えるわけじゃないんだし。また会えるよ」
男は分かっていた。ここは夢の世界だ。夢の主人が目を覚ましてしまうと、二度と会えない。何もかも消えてしまう。
男にはどうしようもなかった。万能の力を得た代償に、この世界の本当の姿を知ってしまっただけだった。
男が鏡を見る。夢から覚めたくない。彼らに消えてほしくない。
しかし、顔の輪郭は徐々にぼやけていき、意識も混濁していく。
そして、目が覚めた。




