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西園寺須磨子は未だ恋を知らない  作者: 天音紫子(著)×霧原影哉(構成・監修)
第14章 庶民の青年は、知らぬ間に恋の渦中に立っていた
70/80

桐生、恋に覚悟を求められる

 閉店後の店内。

 桐生は椅子を戻しながらため息をついた。


(……覚悟、ね……)


 迷った末に、美佳へ電話をかける。


「はいはい、何よ。チーフ」


「……美佳。相談があって」


「恋か?」


「っ……ち、ちが……いや、恋……なのか……」


「バカ正直すぎんだよチーフ!?!?」


 ガタンッと向こうで何か倒れる。


「で? すまっちとデートは成功したじゃん」


「いや、その……今日、噂を聞いて……

 俺なんかが……須磨子様の隣に立っていいのかなって……」


 すっと空気が変わる。


「チーフ」


「……はい」


「“俺なんか”って言うな」


 美佳の声は、まっすぐだった。


「すまっちが惚れてんのは、チーフの“全部”だよ」


「…………」


「私は分かる。

 すまっち、チーフの話する時いつも顔ゆるんでんもん」


 胸が熱くなる。


「……でも、その……社交界とか……」


「知らん。関係ない。

 すまっちにとってのチーフはチーフ一人だけ」


「……美佳……」


「覚悟ってのは一個」


「……ひとつ?」


「逃げないこと」


 言葉が胸に刺さる。


「それだけ出来りゃ十分。

 だってチーフだもん」


 桐生は目を閉じ、息を吸った。


「……ありがとう、美佳」


「おう。明日も働けよ。

 すまっちが会いたがるから」


 電話が切れたあと、

 桐生は深く息を吐いた。


(逃げない……か)

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