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西園寺須磨子は未だ恋を知らない  作者: 天音紫子(著)×霧原影哉(構成・監修)
【須磨子様と桐生様、恋路観測記 — 箸休め四部作 —】
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《須磨子様の恋路を見守り隊・反省会(暴走会議)》

◆開幕:全員、興奮冷めやらず


 ファミレスの個室に、4人娘+美佳がバンッと勢いよく座る。


「「「「……っっ!!!」」」」


 テーブルを挟んで全員が黙り込み──

 次の瞬間。


「須磨子様ぁぁぁぁ!!!」

「桐生様もやばかったわ!!」

「なんであの二人、あんな尊いのッ!!」

「人間って実在してるんだ……あんな気品……」


 机が揺れるほどの大爆発。


 美佳がストローを噛みながらぼそり。


「……お前ら、今日は騒ぎすぎ。声デカい」


「「「「美佳は冷静で助かるわ……」」」」


「いや全然助かってねぇよ!?」



◆議題①:今日の須磨子様、可愛さが限界突破していた問題


「まずさ……回転木馬のあの微笑み……」


「あれは……反則……」


「ティーカップで揺れてた時の、あの品!」


 全員が胸を押さえ、のたうちまわる。


「わたし泣きそうになったもん……“品が溢れちゃってる……”って」


「わかる……透明感で脳が焼けた」


 美佳はドリンクバーのコーンスープを飲み干して言う。


「……あの人さ、あんなんで“庶民の遊園地、とても楽しいですわ”とか言ってんだぞ?」


 4人娘、テーブルに突っ伏す。


「「「「無理……尊死……」」」」



◆議題②:桐生、魂が何度も抜けていた件


「桐生様、今日だけでHP何回消し飛んだ?」


「8回じゃない?もっと?」


「出口の“桐生様、嬉しゅうございました”で完全に死んだわよね」


「回復→即撃沈→回復→即撃沈を繰り返す謎の体質……」


 美佳が腕を組む。


「……あいつ、帰った瞬間ぶっ倒れてるだろ。

 てか、わたしは途中で看取る覚悟したね」


「「「「やめてwwww」」」」



◆議題③:お化け屋敷の“須磨子様が強すぎる”問題


「須磨子様、1ミリも怯えてなかった……!」


「むしろ“お疲れ様でした”って従業員に言ってたよね!?」


「桐生様のほうが震えてた……」


 美佳が即答。


「あいつ、苦手なんだよ。

 ……ていうか須磨子様が根本的に強いんだよな」


「精神の貴族……」


「勇気も品も最強……」



◆議題④:ボートの“須磨子エンジン”に関する検証


「ここ!!今日のハイライト!!」


 全員が一斉に前のめりになる。


「まず“少し漕いでみてもよろしい?”で、桐生様の魂が半分抜ける」


「からの──」


「『せいっ』」


 全員で言った。


 美佳がテーブルを叩きながら叫ぶ。


「進みすぎなんだよ!!

 湖、切り裂いたんだよ!?!?」


「隣のスワンのカップル、悲鳴あげてたもんね」


「“なんかすごいの来た!!”って!」


 4人娘、大爆笑。


「須磨子様、あれ絶対やればできる子」


「てか桐生様の見せ場、秒速で消えた」


「逆に可愛かった……」



◆議題⑤:出口の“九条院事件”、秒で終わった件


「……で、来ましたね……亡霊」


「いや“亡霊”は笑う」


「九条院、今日のデートに割って入ってくるとか何?」


 美佳は鼻で笑う。


「あのバカ、今日の様子見て“須磨子様は庶民に惑わされてる!”とか言ってたんだぞ?」


「「「「迷惑……!!」」」」


「須磨子様、怒った瞬間のあの笑顔……震えた……」


「“お黙りなさいませ”で九条院のHPゼロ」


 全員が黙り込み、震える。


「須磨子様……

 あれは……女帝でしたね……」


「皇帝だった……」


「桐生様を庇って前に出たところで死んだ……尊すぎて死んだ……」



◆議題⑥:今日の総評


「……あの二人、もう結婚じゃない?」


「まだ付き合ってもいないのに結婚扱いするなよww」


「いやでも……今日の空気、もう……好きが溢れてた……」


「須磨子様の“嬉しゅうございました”は告白ですもん!!!」


 美佳がストローをくるくる回しながら呟く。


「……まぁ、桐生も須磨子様も、相当“入ってる”よな」


「美佳が言うなら本物だ……!」


「で、次はどうするの?」


 美佳は肩を竦めて笑った。


「決まってんだろ。

 二人が動くまで、わたしたちは見守るだけだよ」


「「「「はぁぁぁぁぁ……尊い……」」」」



◆締め:妄想暴走会議の結論


「次は、LIMEの通知で死ぬ桐生様が見たいですわね……」


「須磨子様から“おやすみなさい”来た瞬間、彼、また昇天するね」


「明日の二人が楽しみだわ……!」


 ファミレスの夜は、今日も騒がしく更けていくのであった。

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