表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
西園寺須磨子は未だ恋を知らない  作者: 天音紫子(著)×霧原影哉(構成・監修)
第2章 文(ふみ)が届いて、俺の平穏は終わった
5/80

美佳、恋の黒幕になる。知らぬは須磨子様のみ。

「──で? その手紙、見せなよ」


美佳は、

“爆発する前の炭酸飲料”みたいな顔でチーフを見ていた。


「……いや、見せるほどのもんじゃ──」


「チーフ、出しなさい」


逃げ場なし。


あきらめて封筒を差し出した。


美佳は封蝋を見た瞬間──


「うわっ、すまっち特製の高級便箋だ!

やば……これは本気の文だ……!」


「おま、声デカい……!」


文を開いた美佳は、目を皿にして静止した。


5秒。


10秒。


20秒。


そして──


「恋じゃん。」


「ちがうわッ!!!」


反射で即答した。

我ながら食い気味の大声。


美佳は腕を組み、ゆっくり顔を上げた。


「……なるほどねぇ……?」


「何がだよ」


「否定の仕方が“ちがう”じゃなくて“ちがうわ!”なんだよ。

はい確定。乙。」


「確定するなぁぁ!!」


「チーフ……これは恋文だよ。しかも本気の。

すまっち、字がうますぎて逆に殺傷力高いし」


「殺傷力て言うな」


美佳は文を指でトントンと叩いた。


「てかさ。

これ読んで動揺してる時点で、チーフ側にも“気持ち”があるってことじゃん」


「ない!!俺は冷静だ!!」


「(はい出た、いちばん動揺してる人のセリフ)」


「……」


「で、いつデートするの?」


「しねぇよ!!決めつけるな!」


「ふーーーん?」


美佳が目を細めた。


(……この顔は……何か企んだ顔だ……)


「わかった。

すまっちにも協力してもらって──」


「やめろォ!!」


「2人でデートプラン立ててあげるから♡」


「やめろって言ってんだろ!!」


「いやもう無理だよチーフ。

だってコレだもん」


美佳は文の“名もなき想い”のところを指差す。


「ここ、“チーフの声が胸に落ちた瞬間”って意味だからね。

読書感想文レベルじゃなくて恋文レベルだよ」


「……だから、それを俺に説明するな!

なんでお前が気付くんだよ!」


「すまっちの親友だからね?」


美佳はどや顔で胸を張った。


「恋の匂いは逃さない女、美佳参上。

チーフ、覚悟しといてね?」


(……嫌な予感しかしねぇ)


その時、テーブルに置いた彼女のスマホが震えた。


画面には──


『すまっち:くしゅんしましたわ。気温でしょうか?』


美佳「……ふっ」


「……なんだよその笑い」


「チーフ、これもう運命だよ。

すまっちの“くしゅん”は絶対チーフのこと考えてる時のやつ」


「どんな根拠だよッ!!」


美佳はスマホを閉じ、言い切った。


「よし、決めた。

──2人のデート、私が仕掛ける。」


チーフの背筋が凍った。


(……終わった……)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ